“本当は恐ろしい”グリム童話を新たに蘇らせた長編アニメーション『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』の公開日が8月18日に決定し、併せて予告編がお披露目となった。
19世紀初頭にグリム兄弟によって書かれたドイツの民話集「グリム童話集」。実は、残酷な描写は削られており、近年では“本当は恐ろしい”童話として日本でも大人向けに注目を集めてきた。本作は、「グリム童話集」に初版から収録されている民話「手なしむすめ」を原作に、フランスのセバスチャン・ローデンバック監督が独自の解釈も加え、悪魔に騙された父のために両腕を失い一人で生きることになった少女の旅を描く。2016年のアヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞と最優秀フランス作品賞をダブル受賞し、2017年の東京アニメアワードフェスティバルでも長編アニメーションのグランプリを受賞した。
ローデンバック監督は、故・高畑勲監督の実験精神に敬意を表し、全ての作画をひとりで手がけるという作画技法「クリプトキノグラフィー」を用いた。まるで線そのものが命を持ち、呼吸するかのような美しい映像には思わず息を呑み、そして少女を待ち受ける思いがけない物語は、原作とは異なる監督ならではのラストへと展開していく。
『大人のためのグリム童話 手をなくした少女』
東京:8月18日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
大阪:8月25日(土)よりシネ・リーブル梅田ほか全国順次公開
監督:セバスチャン・ローデンバック
声の出演:アナイス・ドゥムースティエ ジェレミー・エルカイム
配給:ニューディアー
【ストーリー】 貧しい生活に疲れた父は悪魔に騙され、黄金の代わりに最愛の娘を差し出す契約を交わしてしまう。辛くも生き延びたものの、父に両腕を切り落とされた娘は、家を出て放浪する。不思議な精霊の力にも守られた娘は、幸運にも助けられ、やがて一国の王子から求愛を受けることになる。しかし、悪魔は、用意周到にふたりの仲を引き裂く。娘は生後間もない子どもを連れ、王宮を後にする。娘と悪魔の闘いの結末は?娘が息子と選んだ未来とは?
© Les Films Sauvages – 2016