「アムステルダム」でブッカー賞を受賞し、数多くの話題作を生み出しているベストセラー作家イアン・マキューアンの小説「初夜」を、シアーシャ・ローナン主演で映画化した『On Chesil Beach』(原題)が、邦題『追想』として、8月10日より公開されることが決定した。
本作は、1960年代のイギリスを舞台に、結婚式を終えたばかりの20代前半の夫婦の初夜に起きた出来事を通し、誰もが経験する“大人になる瞬間”の儚さと美しさを切り取ったラブストーリー。美貌と才能に恵まれながらも、心に闇を抱えるバイオリニストのフローレンスを演じるのは、『ブルックリン』『レディ・バード』といった話題作に立て続けに主演し、24歳にしてアカデミー賞の常連といわれるシアーシャ・ローナン。マキューアンの「贖罪」を映画化した出演作『つぐない』以来のタッグとなるが、今回は原作者自らが脚本を手掛け、新たな解釈を加えた。監督は、BBCドラマ「嘆きの王冠~ホロウ・クラウン~」を手がけた舞台演出家・脚本家のドミニク・クックが務め、本作が長編映画デビューとなる。夫となる真面目な青年のエドワードには、新進気鋭のイギリス人俳優ビリー・ハウル。2016年のプラダ春夏コレクションのモデルとしても起用され、シアーシャとは、チェーホフの「かもめ」を映画化した『The Seagull』(原題)でも共演している。
『追想』
8月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー
監督:ドミニク・クック
脚本・原作:イアン・マキューアン「初夜」(新潮クレスト・ブックス刊)
出演:シアーシャ・ローナン ビリー・ハウル エミリー・ワトソン アンヌ=マリー・ダフ サミュエル・ウェスト
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
【ストーリー】 1962年、夏。世界を席巻した英国ポップカルチャー「スウィンギング・ロンドン」が本格的に始まる前のロンドンは、依然として保守的な空気が社会を包んでいた。そんななか、若きバイオリニストのフローレンスは歴史学者を目指すエドワードと恋に落ち、人生をともに歩むことを決意する。結婚式を無事に終えた2人が新婚旅行として向かったのは、美しい自然に囲まれたドーセット州のチェジル・ビーチ。しかし、ホテルで2人きりになると、初夜を迎える緊張と興奮から、雰囲気は気まずくなるばかり。ついに口論となり、フローレンスはホテルを飛び出してしまうのだった。家庭環境や生い立ちがまるで違う2人であっても深く愛し合っていたが、愛しているからこそ生じてしまった“ボタンの掛け違い”。それは、今後の2人の人生を大きく左右する分かれ道となってしまう。フローレンスとエドワードにとって、生涯忘れることのできない初夜。その一部始終が明かされる…。
© British Broadcasting Corporation/ Number 9 Films (Chesil) Limited 2017