1968年からの半世紀を考察 映画特集上映+フィルム・パフォーマンス「昨日からの別れ―日本・ドイツ映画の転換期」開催!

激動の1968年から今日までの50年間の社会政治的展開を、映画上映など様々な表現形式を通じてクリティカルに考察する、“原点回帰にして未来への指標”となるイベント「1968年―転換のとき:抵抗のアクチュアリティについて」が、東京ドイツ文化センターにて開催。その一環として、1968年前後の作品にスポットを当てた映画特集上映とフィルム・パフォーマンスで贈る「昨日からの別れ―日本・ドイツ映画の転換期」が、5月28日から6月15日に開催されることが決定した。

本イベントでは、「今、私たちの社会はどのような転換期にあるのか?」をテーマに、映画上映をはじめ、有名アーティストによるライブ・パフォーマンス、シンポジウム、ミクストメディアシアター、展示などを実施。上映作品は、戦後ドイツ映画の既成概念を打ち破りニュー・ジャーマン・シネマの様式を作り上げる礎となったアレクサンダー・クルーゲ監督の『昨日からの別れ』、ベルリン映画祭でも上映されATG(日本アート・シアター・ギルド)を代表する作品となった羽仁進監督の『初恋・地獄篇』、東ドイツで300万人もの動員を記録したハイナー・カーロウ監督の『パウルとパウラの伝説』、そして1968年における新宿の混沌をそのままフィルムに描きあげ、最も前衛的な大島渚作品の一つとなった大島渚監督の『新宿泥棒日記』など、刺激的かつ重厚なプログラムとなっている。

また、50年前に若いアーティスト達がいかにして戦後の形式と常識を打ち破り、衝突と挑発的な姿勢によって政治性を持つ新しい映画言語を生み出したのか日独の作品を比較検証する。映画上映に併せて開催する一連のトークショーでは、若い世代のアーティストや批評家と68年世代との対話を通じ、今日と当時の視点から抵抗運動の可能性について考えるという、アカデミックでありながら楽しめる内容となっている。

1968 ≪昨日からの別れ―日本・ドイツ映画の転換期≫ 映画特集上映+フィルム・パフォーマンス 開催概要

日程:映画上映 5月28日(月)~6月3日(日)/フィルム・パフォーマンス 6月12日(火)、14日(木)、15日(金)
会場:ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター
料金:映画上映 各回500円/フィルム・パフォーマンス 各回1000円
主催:ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター
詳細:公式HP www.goethe.de/ins/jp/ja/kul/sup/zei.html

<上映作品>
■『昨日からの別れ』(西ドイツ/1966)
監督:アレクサンダー・クルーゲ
出演:アレクサンドラ・クルーゲ ギュンター・マック エファ・マリア・マイネケ ハンス・コルテ
©Alexander Kluge

■『初恋・地獄篇』 (日本/1968)
監督:羽仁進
脚本:羽仁進 寺山修司
出演:高橋章夫 石井くに子 浅野春男 額村貴美子 木村一郎
© 1968 羽仁進/ATG

■『パウルとパウラの伝説』(東ドイツ/1973)
監督:ハイナー・カーロウ
脚本:ウルリヒ・プレンツドルフ
出演:アンゲリカ・ドムレーゼ ヴィンフリート・グラッツェーダー ハイデマリー・ヴェンツェル
© DEFA-Stiftung Herbert Krois Manfred Damm

■ペーター・ネストラー特集(西ドイツ/1964-1967)
上映プログラム:『Mülheim/Ruhr』(1964)/『Rheinstrom』(1965)/『Von Griechenland』 (1966)/『Im Ruhrgebiet』(1967)
監督:ペーター・ネストラー
©Peter Nestler

■『沖縄エロス外伝 モトシンカカランヌー』(日本/1971)
監督:NDU (日本ドキュメンタリスト・ユニオン)
提供:プラネット映画資料図書館

■『新宿泥棒日記』(日本/1969)
監督:大島渚
脚本:大島渚 足立正生 田村孟 佐々木守
出演:横尾忠則 横山リエ 田辺茂一 高橋鐵 渡辺文雄 唐十郎
©大島渚プロダクション

■『下部ババリアの人間狩り[迫害]』(西ドイツ/1969)
監督:ペーター・フライシュマン
出演:マーティン・シュペア エルゼ・クヴェッケ アンゲラ・ヴィンクラー ミヒャエル・シュトリクスナー マリア・シュタットラー グーニャ・ザイザー ヨハン・ブルナー ハンナ・シグラ レナーテ・ザンドナー エルンスト・ワーグナー ハンス・エルヴェンシュペーク
©Peter Fleischmann

■『エリカの煩悩』(西ドイツ/1976)
監督・脚本:ウラ・シュテックル
出演:カリン・バール ヴェラ・チェコヴァ
©Ula Stöckl

■佐々木美智子+城之内元晴特集(日本)
『いつか死ぬのね』(1968-1974)
監督:佐々木美智子

『日大大衆団交』(1968)/『ゲバルトピア予告』(1969)
監督:城之内元晴
© 佐々木美智子

■日本大学芸術学部映画研究会特集(日本)
『釘と靴下の対話』(1958)/『プープー』(1960)/『椀』(1961)
製作:日本大学芸術学部映画研究会
©日大映研、新映研アーカイブ編集委員会

■『紅い太陽』(西ドイツ/1970)
監督:ルドルフ・トーメ
脚本:マックス・ツィールマン
出演:マーカート・ボーム ウシ・オバーマイヤー シルビア・ケクレ ガビー・ゴー ディアナ・ケルナー ヘンリー・ファン・ライク ハルク・ボーム
©Rudolf Thome

■『Rape』(オーストリア/1969)
監督・脚本:オノ・ヨーコ ジョン・レノン
出演:エヴァ・マイラート ニコラス・デイヴィッド・ノウランド
©Yoko Ono

■『性遊戯』(日本/1968)
監督:足立正生
脚本:出口出(足立正生)
出演:吉沢健 中嶋夏 山谷初男 青目海 小水一男 秋山道男
©足立正生全映画上映実行委員会

■ヴァリー・エクスポート特集(オーストリア/1966-1974)
『Selbstportrait mit Kopf』(1966-1967)/『TAPP und TASTKINO』(1968)/『Die süße Nummer. Ein Konsumerlebnis』(1969)/『Body Tape』(1970)/『Facing a Family』(1971)/『Interrupted Line』(1971)/『Hyperbulie』(1973)/『Mann & Frau & Animal』(1970-73)/『Remote…Remote…』(1973)/『Asemie』(1973)/『Schnitte/ Elemente der Anschauung』(1971-74)/『Body Politics』(1974)
監督:ヴァリー・エクスポート
©Valie Export

<フィルム・パフォーマンス>
■飯村隆彦(日本/1962-2018)
『サークル&スクエア』(1966-2018)/『リリパット王国舞踏会』(1964-66)/『いろ』(1962)/『Love』(1962)/『あんま』(1963)
フィルムアンデパンダンより『うらとおもて』(1964)/『My Documentary』(1964)
©飯村隆彦/東京都写真美術館

■金井勝+城之内元晴(日本/1968-1991)
『時が乱吹く』(1991)
監督:金井勝
出演::城之内元晴 高橋孝英 高橋葉子 亘真紀 金井勝
©金井勝 Katsu Kanai

『新宿ステーション』(1968-1974)
監督:城之内元晴
©城之内美稲子(Mineko Jonouchi)

■シュウゾウ・アヅチ・ガリバー(日本/1966-68)
『Switch』(1966)/『Screen』(1967)/『Film』(1968)/『Box』(1968)
©シュウゾウ・アヅチ・ガリバー