「ゴールデンスランバー」などで知られる人気作家の伊坂幸太郎による同名恋愛小説集を、主演に三浦春馬を迎えて映画化した『アイネクライネナハトムジーク』が、今冬より公開となる。このほど、5月3日に仙台でオールクランクアップを迎え、主演の三浦春馬が急きょ仙台に駆け付けた。
原作は、2014年に単行本が発売され、2017年に文庫化、現在に至るまでに42万部(電子書籍を除く)を売り上げるベストセラー。アーティストの斉藤和義からのオファーで、伊坂が“出会い”をテーマにひとつの短編を書き上げたことをきっかけに誕生した。本作の監督は、『パンとバスと2度目のハツコイ』でメガホンを取った“ダメ恋愛映画の旗手”とも称される新鋭・今泉力哉監督が務める。
主演の三浦は、「劇的な出会い」を待つ、マーケティングリサーチ会社勤務の佐藤を演じる。偶然、佐藤と出会う、通称“シャンプーさん”こと本間紗季を多部未華子、佐藤の会社の先輩・藤間さんを原田泰造が演じる。このほか、佐藤の学生時代からの友人・織田一真に矢本悠馬、一真の妻・織田由美に森絵梨佳、成長した一真と由美の生意気な高校生の娘・織田美緒に恒松祐里、由美の同級生で、声しか知らない男性に恋をしている美容師・美奈子に貫地谷しほり、美奈子の美容室の常連・板橋香澄にMEGUMI、美緒のクラスメイトの母親・久留米マリ子に濱田マリ、美緒の親友の同級生・亜美子に八木優希といった豪華キャストが集結。さらに、本作の舞台となる仙台出身のお笑い芸人サンドウィッチマンの伊達みきお、富澤たけしが参加する。
オール仙台・宮城ロケで4月10日より撮影を進めてきた本作だが、遂に5月3日が作品全体のクランクアップとなった。「ゼビオアリーナ仙台」という会場で、作品の中でも重要なボクシングの試合シーンをメインに、様々な登場人物たちがそこに集っているカットを撮影。そこには、1000人規模の地元の方もエキストラとして参加した。
このクランクアップに合わせて、一足先に自身のクランクアップを迎えた主演の三浦春馬も急きょ仙台に駆け付け、サプライズでエキストラの方々の前に登場。さらにここに、これまで出演情報は発表されたものの役どころについては触れられてこなかった仙台出身のお笑い芸人・サンドウィッチマンと監督も加わった。
ボクシングリングにあがった監督から、エキストラの皆さんへの感謝の言葉があったのち、未発表だった役どころの“セコンド”の衣装に身を包んだサンドウィッチマンの二人がリングにあがった。
伊達が「皆さん今日は本当に“無料”でお越しいただきまして、GW中なのに有難うございます。我々もこうして出させていただきうれしいです。監督の衣装が独特なのが気になるんですけどね〜」(笑)と挨拶があると、富澤も「風貌がね〜」と早速監督の独特なたたずまいをいじる。伊達から「聞いたところによると、僕たちの母校の仙台商業高校でも撮影をされたとか」と明かされると、富澤は「それは、うれしいですね」と。伊達は「今日は主演をくうくらいの、役者としてのサンドウィッチマンを皆さん生でみていただきたいと思ってきました。なので、変な笑いとかおきないようにしてくださいね!」とお願いした。
富澤から「監督になんで自分たちを起用したんですか?」と問いかけがあり、監督が「仙台で伊坂さんの作品をとれることになりまして、ぜひ宮城でサンドウィッチマンさんにでていただきたいなと思いました。あと、自分も福島郡山出身なので、東北の力になっていただいたお二人だったので、こうしてご一緒できてうれしいです。どの役がいいかなと考えた時に、海外でサンドウィッチマンさんのことを知らない方が映画をみたときに、一番ハマるのが、体格含めてセコンドの役だなと思い、お願いしました。サンドウィッチマンさんのおかげでこうしてたくさんの方にもエキストラでお集まりいただけていると思います」と答えると、「ちょっと何言ってるかわからないんですけどね」といつもの富澤節も飛び出し、場内は笑いに包まれた。そして、今回の出演について二人は「伊坂さんは、僕らの単独ライブもみにきてくれていて、本人にはちょいちょい出してほしいとお願いしていたんですが、やっと出れたなと!『ゴールデンスランバー』とか、なんで僕たちでていないのかな、と思っていたんです。TKOの木下さんとかはでてるんですけどね。なんで僕らじゃないのかなと思ってたんで、やっと念願がかないました!」と喜びを語った。そして、エキストラの方に「夜遅くまでの撮影となりますが、嫌な顔せず、よろしくおねがいしますね。給料発生しませんが、今日は役者ですからね。宜しくお願いします」と話した。その後、「実は、すでに自分のクランクアップは終わっているそうなのですが、こうしてエキストラの皆さんが集まってくれるからということで、この日のためにわざわざ駆けつけてくれた方がいます。三浦春馬君です!」と三浦を呼び込み、三浦春馬もリング上に登場した。このリングにあがる際には、伊達がロープをくぐる際のセコンド的アシストをし、会場には笑いが起きた。
三浦が「今日は集まっていただき有難うございます!」と挨拶をすると黄色い声が飛び交い、伊達が「歓声が違うな。違いすぎる」とつぶやき、再び笑いが。そして仙台に滞在してみた感想を三浦に聞くと、三浦は「1か月近くいて、仙台駅前のペデストリアンデッキでも計4日くらい撮影させていただいたりしました。普段通勤とかで駅を使っていらっしゃる方々には、多大なるご迷惑をおかけしたのですが、皆さんすごく温かく見守ってくれて、協力してくれて、この中にもご協力いただいた方がいらっしゃるかもしれませんが、すごくすごく助けになりました。有難うございました」。さらに、三浦は「仙台はメチャメチャいいところですよ。人柄がみんな本当にいいです。さらに、お弁当とかもとてもおいしくて、夜食に牛タン弁当が出たときには、僕たちにとって兵糧なので、本当に士気を高めてキープしていくのにすごくすごく必要なもの。なので、ほんとうに助かりました!あとは、撮影以外にも、某有名な甘味処だったりとか、某牛タン屋さんに行きまして美味しい思いをさせていただきました。有難うございます」と仙台生活を満喫した様子を語った。
伊達から「マーボー焼きそばも食べたって?」と聞かれると、三浦は「そうなんです。駅前の。マーボー焼きそばっておいしいですね!!」とあり、伊達は「秘密のケンミンショーって番組で紹介されたんですけどね。それまで誰も知らなかったの(笑)、あんな美味しいものをね。知らなかったんですよね」と裏話を語った。三浦は、ずんだシェイクも飲んだといい、「想像をこえる美味しさ!」と監督にオススメした。それを受け、サンドウィッチマンの二人は「うれしいじゃないですか、仙台をこうやって愛してくれて。じゃあ、もう47都道府県で一番好きなのが宮城県てことでいいですね?」と聞き、会場は再び笑いに包まれた。それに三浦は「宮城県が大好きな場所になりました!」と答えた。さらに、伊達から“定義山”の油揚げもオススメだと聞き、“今後の宣伝活動で宮城を訪れた時に!”と再訪の約束をした。最後に、三浦は「今日はこんなにたくさんの方が集まってくれて個人的にもすごくうれしいですし、映画の成功にも必ずつながるものになるだろうなとおもっています。本当に有難うございます」と締めくくった。
『アイネクライネナハトムジーク』
今冬、全国ロードショー
監督:今泉力哉
原作:伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」(幻冬舎文庫)
出演:三浦春馬 多部未華子 原田泰造 矢本悠馬 森絵梨佳 恒松祐里 貫地谷しほり MEGUMI 濱田マリ 八木優希 伊達みきお 富澤たけし
配給:ギャガ
【ストーリー】 ギターの弾き語りが心地よく響く仙台駅前。大型ビジョンからは、ボクシング世界戦のタイトルマッチに沸く声。「劇的な出会い」を待つだけのボク・佐藤(三浦春馬)は、街頭アンケートを実施中だ。今時なかなか相手にしてもらえない中、珍しく快く応えてくれたのはリクルートスーツの女性。手には「シャンプー」の文字。これって運命?そういえば居酒屋で雇われ店長をやってる親友が言ってたっけ「出会いなんてどうだっていい、後で自分の幸運に感謝できるのが一番だ」って。確かに、そんな彼には分不相応なほど美人の奥さんと可愛い娘がいて、幸せそうにやってる。運命って、奇跡って、幸せって?音と音がつながってメロディが生まれるように、誰かと誰かがつながって物語が生まれる―それは、恋とか愛にまつわる物語。新しい恋愛映画、誕生!
(C)2018 映画「アイネクライネナハトムジーク」製作委員会