第68回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(監督賞)を受賞した、ウェス・アンダーソン監督最新作『犬ヶ島』が5月25日に公開となる。このほど、本作の製作現場の様子が収められたスペシャルメイキング映像が公開された。
全編にわたり日本を舞台とし、“ドッグ病”の大流行によって犬ヶ島に隔離されてしまった愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描く本作。メイキング映像は、主人公アタリを演じたコーユー・ランキンが製作現場を訪れ、アタリを中心とした作品つくりにおける様々な工程を見学し、時には体験する様子が収められている。粘土でつくられたアタリの顔に表情を作り出してみたり、エアブラシでの色付けや眉毛の塗装、人形を立たせるためのアーマチュアという器具が組み込められた人形にポーズを取らせてみるなど興味津々に作業に取り組むコーユー。本作の裏側の一部をコーユーと共に覗き見ることができると共に、映像内では、ウェス監督から「コーユー・ランキンの演技を基に人形をデザインした。彼の演技は本作の隅々にまで影響を与えた」と絶賛コメントが寄せられていることからも、コーユーが劇中でどんな演技を見せるのかにも期待が高まる内容に仕上がっている。
スコットランド系カナダ人の父と日本人の母の間に生まれた現在11歳のコーユーは、本作が長編映画デビューとなる。米ニューヨークでのオーディションでウェス監督に才能を見出され主役に抜擢されたが、アタリは12歳という設定ながらも、収録当時は8歳だったそうで、ウェス監督はキャスティングを決めた時点では年齢を認識していなかったという。しかし、今回のようなストップモーション・アニメーションにおいては、製作の早い段階から声優が関わってくるため、役者たちの声と演技によりインスパイアされていったとウェス監督は明かし、「コーユーの声は素晴らしかった」と大絶賛。さらに、「私は日本語がわからないので、彼の言っていることのほとんどは理解できませんでしたが、彼の素敵な声は、このキャラクター、そしてパペットを作っていく中で本当に多くのインスピレーションを与えてくれました」と語っている。
コーユーは、現在はサッカークラブの中でも市のトップチームに属するほか、ドラムに興味を持ち、昨年は父親が組むバンドのPVにドラマーとして出演するなど、演技だけでなく様々な才能を発揮している。
『犬ヶ島』
5月25日(金)全国ロードショー
監督:ウェス・アンダーソン
出演(声):ビル・マーレイ ジェフ・ゴールドブラム エドワード・ノートン ハーヴェイ・カイテル ティルダ・スウィントン F・マーレイ・エイブラハム ボブ・バラバン フランシス・マクドーマンド 野村訓市 スカーレット・ヨハンソン グレタ・ガーウィグ ブライアン・クランストン リーブ・シュライバー コーユー・ランキン ヨーコ・オノ 野田洋次郎(RADWIMPS) 夏木マリ 村上虹郎 渡辺謙
配給:20世紀フォックス映画
【ストーリー】 近未来の日本。ドッグ病が大流行するメガ崎市では、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を“犬ヶ島”に追放する。ある時、12歳の少年がたった一人で小型飛行機に乗り込み、その島に降り立った。愛犬で親友のスポッツを救うためにやって来た、市長の養子で孤児のアタリだ。島で出会った勇敢で心優しい5匹の犬たちを新たな相棒とし、スポッツの探索を始めたアタリは、メガ崎の未来を左右する大人たちの陰謀へと近づいていく―。
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation