97歳で没するまで生涯現役であり続けた伝説の画家・熊谷守一＝モリのエピソードをもとに、沖田修一監督が晩年のある1日をフィクションとして描いた映画『モリのいる場所』が5月19日に公開となる。このほど、老画家・熊谷守一のシーンが収められた特別映像と新場面写真がお披露目となった。

本作は、晩年の30年間ほとんど家の外へ出ることなく庭の生命を描き続け、「仙人」と呼ばれた画家・熊谷守一（通称モリ）と妻・秀子の結婚52年目のある1日の物語。日本を代表する名優と称される山﨑努と樹木希林が初共演を果たし、監督は『キツツキと雨』や『横道世之介』を手掛けた沖田修一監督が務める。

貴重なメイキング映像に映るのは、モリを演じる山崎が、撮影にあたって沖田監督と真剣にやりとりする様子や、猛暑の中で集中する姿。しかし、いざ本番となると、すっかり“モリ”として庭に同化し、「ウォーリーを探せ」状態に。山﨑のおちゃめな一面が垣間みられる、微笑ましい映像となっている。

場面写真は、「蟻は左の二本目の足から歩き始める」と言ったことで有名なモリが、蟻をカメラマンと見ているカットのほか、晩年の30年間ほとんど家から出なかったと言われているモリが、外に出ようかドキドキして門に立っている様子、庭に置かれた腰掛で冒険の途中に休んで草木と一体化しているモリの姿などが切り取られている。

『モリのいる場所』
5月19日（土）、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋、イオンシネマほか全国ロードショー
監督・脚本：沖田修一
出演：山﨑努　樹木希林　加瀬亮　吉村界人　光石研　青木崇高　吹越満　池谷のぶえ　きたろう　三上博史
配給：日活

【ストーリー】　自宅の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫など、守一の描く絵のモデルとなる生き物たちが住み着いている。守一は30年以上、じっとその庭の生命たちを眺めるのを日課にしていた。普段、守一は妻の秀子と二人の生活をしているが、毎日のように来客が訪れる。守一を撮ることに情熱を燃やす若い写真家の藤田くん、看板を書いてもらいたい温泉旅館の主人、隣人の佐伯さん夫婦、郵便屋さんや画商や近所の人々、そして、得体の知れない男…。今日もまた、モリとモリを愛する人々の、可笑しくて温かな1日が始まる。

(c)2017「モリのいる場所」製作委員会