“20世紀最大の巨匠”、“映像の魔術師”、“北欧映画界の至宝”などと称される映画史における伝説的巨匠イングマール・ベルイマン監督の特集上映「ベルイマン生誕100年映画祭」が、7月より開催されることが決定した。
今年は、1918年7月14日にスウェーデンで生まれたベルイマンの生誕100周年となる記念すべき年であり、全世界で彼の偉大な足跡を再評価するレトロスペクティヴが開催される。さらに、日本とスウェーデンの国交150周年というアニバーサリーも重なり、日本ではベルイマンの50本以上にわたるフィルモグラフィの中から13本の傑作をセレクトし、全作品を最新技術によって修復したデジタル・リマスター版にて公開する。
上映されるのは、ゴダールが「もっとも美しい映画」と絶賛した『夏の遊び』(1951)や、タルコフスキーがオールタイムベストに挙げた『野いちご』(1951)、奇術の旅芸人の一座を描いた初期キャリアにおける到達点『魔術師』(1958)など初期の傑作群をはじめ、牧師の家庭に生まれたベルイマンにとって、生涯にわたって追究すべき重要なテーマであった宗教と神の問題に真正面から取り組んだ、<神の沈黙>三部作『鏡の中にある如く』(1961)、『冬の光』(1963)、『沈黙』(1963)も一挙に出揃う。さらに、ベルイマンと生涯にわたるパートナーとして、公私にわたってサポートし続けたリヴ・ウルマンとの初タッグ作『仮面/ペルソナ』(1966)や、初めて日本で公開されたベルイマンのカラー作品『叫びとささやき』(1978)、そして、スウェーデン映画史上最大ともいうべき製作費が投じられ、第56回アカデミー賞4部門受賞ほか各国の映画賞を総なめにしたベルイマンの集大成的超大作『ファニーとアレクサンデル』(1982)も、全5章、5時間11分のオリジナル全長版で上映される。
今回の映画祭では、5年前に開催され、クラシック映画のリバイバルとしては異例の大ヒットを記録した「ベルイマン三大傑作選」、続く「ベルイマンの黄金期」で公開された7作品に加え、近年日本での上映の機会の少なかった6作品が新たに加わったこととなる。戦後まもなくデビューし、2007年に89歳でなくなるまで、60年以上にわたる旺盛なキャリアにおける各時代の代表作が集まり、ベルイマンの残した偉大な業績を展望できる貴重な機会となる。
「ベルイマン生誕100年映画祭」概要
7月よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて順次開催
配給:マジックアワー、ザジフィルムズ
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/bergman100/
上映作品(全13本)
■『夏の遊び』(1951年)
(C) 1951 AB Svensk Filmindustri
■『夏の夜は三たび微笑む』(1955年)
(C) 1955 AB Svensk Filmindustri
■『第七の封印』(1956年)
(C) 1957 AB SVENSK FILMINDUSTRI
■『野いちご』(1957年)
(C) 1957 AB Svensk Filmindustri
■『魔術師』(1958年)
(c) 1958 AB SVENSK FILMINDUSTRI
■『処女の泉』(1959年)
(C) 1960 AB Svensk Filmindustri
■『鏡の中にある如く』(1961年)
(c) 1961 AB SVENSK FILMINDUSTRI
■『冬の光』(1963年)
(C) 1963 AB Svensk Filmindustri
■『沈黙』(1963年)
(c) 1963 AB SVENSK FILMINDUSTRI
■『仮面/ペルソナ』(1966年)
(c) 1966 AB Svensk Filmindustri
■『秋のソナタ』(1978年)
(C) 1978 AB Svensk Filmindustri
■『叫びとささやき』(1972年)
(c) 1973 AB SVENSK FILMINDUSTRI
■『ファニーとアレクサンデル』(1982年)
(c) 1982 AB Svensk Filmindustri, Svenska Filminstitutet. All Rights Reserved.