誰もが一度は経験する「恋」の葛藤を軸に、年の差カップルの純愛を描く、累計発行部数35万部超えのBL(ボーイズラブ)コミックスを実写化した『花は咲くか』が2月24日に公開初日を迎え、初日舞台挨拶が池袋 HUMAXで行われ、カップルを演じた主演の渡邉剣と天野浩成、共演の塩野瑛久、小原唯和、水石亜飛夢、東映東京撮影所所属の谷本佳織監督が登壇した。
まず、渡邉は「初めて主演をやると聞いた時は、遂に僕が主演をやる時が来たのか!といううれしい気持ちでした。でも、原作ものということで、(役柄の)蓉一になりきれるかなというプレッシャーとか、主演だというプレッシャーとかがいろいろとのしかかってきたんですが、なんとか頑張ろうという気持ちで撮影に臨みました」とあふれる思いを語った。
また、映画初出演、初舞台挨拶となった最年少15歳の小原が「今日は人生初めての舞台挨拶で緊張していますが、よろしくお願いします」とハニカミ笑顔で言うと、塩野や渡邉たちは「フレッシュ!」と愛をこめていじり、会場は温かい拍手に包まれた。
■BL作品に初めて参加した感想は?
初めてBL作品に挑戦した渡邉は「性別とかは関係ないのかなとものすごく思いました」と感想を述べる。「漫画もきれいな描写がたくさんあり、いわゆるラブシーンも少なかったので、BL初心者の方も楽しめるかなと」
相手役を務めた天野も「BLとお聞きしてたけど、原作を知らなかったので、『僕、おじさんだけど大丈夫かな』と思いました。原作を読ませていただいたら、僕の年代でも大丈夫だなと納得して。すごく素敵な原作だったので参加できてよかったです」とコメント。
塩野も「人間模様がちゃんと描かれていて、あざとくない映画になっていたので良かったなと。むしろ、(演じた)藤本がいなくてもいいくらいこの2人の関係性が素晴らしくて。すごくきれい!」と言うと、渡邉が「いやいや、藤本がいなかったら話が進まないですから」と笑いながらツッコミを入れた。
小原は「実はBLが男性同士の恋愛というのが最初知らなくて」と中学生らしい初々しい発言をすると、渡邉は「かわいいな」と天野たちと顔を見合わせる。小原は「でも映画を観たら、すごくきれいな恋愛だと思いました」と感動した様子。水石も「最初、男性同士という先入観がなかったと言ったらウソになるんですが、観たらただただキュンキュンしました」とうなった。
■初の男同士のキスシーンについて
渡邉は天野とのキスシーンを振り返り「思ったよりは何もなかったです」と言うと、天野も「僕は女性とするよりは気が楽でした」と笑顔を見せる。渡邉も「僕はキスシーンが初めてでしたが、天野さんで良かったなと。女性だったらもっとテンパっていただろうなと。(天野が演じた)桜井さんにリードしてもらう。こんなに気が楽なことはないじゃないですか」となんともうれしそうだった。
本番前に「思いきりやってください」と天野に耳打ちしたという谷本監督は「天野さんが『僕にまかせてください』とおっしゃった」と言うが、天野は覚えていないそうだ。監督は「本能が理性を上回るようなキスをしてくださいとオーダーしたんですが、まさにそのとおりのキスをしてくださった」と感激しきりだった。
■私生活の初体験とは?
前回の完成披露の舞台挨拶で、バレンタインに女の子からチョコをもらったことがないと話していた渡邉。今年は自分でチョコを買いに行ったら、初めて全く知らない人からチョコレートをもらったというエピソードを披露。「チョコレートを仕入れに行ったのにもらっちゃった(苦笑)。ファンでもなく、おばあちゃんから『今日はバレンタインだからね。チロルチョコ3つね』と」
天野も続けてバレンタインの出来事を披露。「奥さんと子どもに黄色い花を買っていったんです。そしたら奥さんから『トイレに黄色い花を飾ればいいとテレビで言ってたわ』と言われて、渡したすぐそばからその花がトイレへ」と苦笑いして笑いを誘った。
塩野はスマートフォンの画面を初めて割ったことを、水石は映画祭で金髪の美女から逆ナンをされたこと、小原は辛いものが苦手なのに初めて辛子明太子にトライして飛び上がったというエピソードで会場を笑いに包んだ。
■最後の挨拶
最後に渡邉が改めて初日舞台挨拶に立てた喜びを口にした後で「原作を知ってる方の反応がちょっと気になるなと思っているんですが、逆にこの映画を観て、原作を知らない方もぜひ読んでほしいと思うくらい僕も原作のファンになりました。映画と原作を観比べて、何度も劇場に足を運んでいただけたらうれしいです」と力強く締めくくった。
『花は咲くか』
2月24日(土)より、池袋HUMAXシネマズほかロードショー中
監督:谷本佳織
脚本:高橋ナツコ
原作:日高ショーコ「花は咲くか」(幻冬舎コミックス刊)
出演:渡邉剣 天野浩成 塩野瑛久 小原唯和 水石亜飛夢 本宮泰風
配給:東映ビデオ
【ストーリー】 広告代理店に勤める37歳のサラリーマン・桜井和明(天野浩成)は、CM撮影で赴いた古く美しい日本家屋で一心に花の絵を描く19歳の美大生・水川蓉一(渡邉剣)と出逢う。この家の持ち主でもある蓉一は、他人に興味がなく親しい友人すらいなかった。同居している従兄弟の竹生(水石亜飛夢)や菖太(小原唯和)を心配させていたが、屈託なく話しかけてくる桜井にだけは心を開くようになる。二人の気持ちは次第に絡み合っていくが、桜井は蓉一との年齢差や同性同士という現実を前に、二人の関係を先に進ませることが出来ないでいた。まるで自分を避けているかのような桜井の行動に動揺し、苛立ちを感じる蓉一。さらに、蓉一に好意を寄せる美大のクラスメイト・藤本(塩野瑛久)も現れる。そんな中、桜井に大阪転勤の辞令が。桜井と蓉一に決断の時が迫る—。
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