ブラジル発の青春映画『彼の見つめる先に』が3月10日に公開となり、このほど本作の場面写真がお披露目となった。
本作は、ティーンエイジャーの揺れ動く感情を、サンパウロの降り注ぐ日差しの中でみずみずしく映し出し、彼らの思春期特有の言葉にできない気持ちや、人生を鮮やかに変えていくかけがえのない出会いが、ベル・アンド・セバスチャンの名曲「トゥー・マッチ・ラヴ」に乗せて綴られる。ダニエル・ヒベイロ監督が2010年に手がけた短編映画『今日はひとりで帰りたくない』(I Don’t Want to Go Back Alone)を、監督自らの手で同じキャストを起用して長編映画化した。第64回ベルリン国際映画祭でFIPRESCI(国際批評家連盟賞)とテディ賞に輝き、日本ではSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014で脚本賞を受賞、2015年のアカデミー賞外国語映画賞ブラジル代表作品にも選出された。
場面写真は、瑞々しく美しいカットが公開。ダニエル・ヒベイロ監督は、「この作品で描きたかったのは、“盲目でゲイの少年が恋に落ちた”という事ではなく、“恋に落ちたのが、たまたま盲目でゲイの少年”だったということ。そして、“ゲイであるかどうか、盲目であるかどうか”は関係なく、いつの時代どの国でも普遍的なティーンエイジャー達の姿=喜びや悩み、葛藤、性の目覚めを描きたかったから、原色は避けて全体的な作品の色味は暖かみのあるパステル調にし、照明もソフトさにこだわった」と語っている。
『彼の見つめる先に』
3月10日(土)より、新宿シネマカリテほか全国順次公開
監督・脚本:ダニエル・ヒベイロ
出演:ジュレルメ・ロボ ファビオ・アウディ テス・アモリン ルシア・ホマノ エウシー・デ・ソウザ セウマ・エグレイ
配給:デジタルSKIPステーション/アーク・フィルムズ
【ストーリー】 目の見えない少年レオは、ちょっと過保護な両親と、優しいおばあちゃん、いつもそばにいてくれる幼なじみのジョヴァンナに囲まれて、はじめてのキスと留学を夢見るごく普通の高校生。でも何にでも心配ばかりしてくる両親が最近ちょっと鬱陶しい。ある日、クラスに転校生のガブリエルがやってきた。レオとジョヴァンナは、目が見えないことをからかったりしない彼と自然に親しくなっていく。レオはガブリエルと一緒に過ごす時間の中で、映画館に行ったり自転車に乗ってみたり、今まで経験したことのない新しい世界を知っていくのだが、やがてレオとガブリエル、ジョヴァンナ、それぞれの気持ちに変化がやってきて…。