エイズ患者への偏見の変革に挑む若者たちを描く『BPM ビート・パー・ミニット』仏リュミエール賞史上最多6部門受賞の快挙達成!

第70回カンヌ国際映画祭においてグランプリを受賞した、ロバン・カンピヨ監督最新作『BPM ビート・パー・ミニット』が3月24日より公開となる。このほど、“フランスのゴールデン・グローブ賞”と称されるリュミエール賞にて、13部門にノミネートされていた本作が作品賞ほか史上最多6部門受賞の快挙を達成した。

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本作は、1990年代のパリを舞台に、エイズ患者やHIV感染者への差別や不当な扱いに抗議し、政府や製薬会社などへ変革に挑んだ実在の団体「ACT UP Paris」の活動を通して、若者たちの恋と人生を力強くエモーショナルに描く。

リュミエール賞にて、本作は作品賞、監督賞(ロバン・カンピヨ)、男優賞(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)、脚本賞(ロバン・カンピヨ、フィリップ・マンジョ)、新人男優賞(アルノー・ヴァロワ)、音楽賞(アルノー・レボティーニ)を受賞し、史上最多の6部門に輝いた。これまで同賞では『アデル、ブルーは熱い色』の4部門が最多受賞だったが、本作がその記録を大きく塗り替えた。

■ロバン・カンピヨ監督 コメント
今まで語られてこなかったこの物語を、あらゆる方法で表現し映画化する必要があると考えていました。映画が政治に直接、影響を与えるとは考えていないです。この作品は、今機能していない何かを改善しようと訴えているわけでも、懐古的作品でもありません。敬服している人や、愛する人、共に笑った人をなくすという暗黙の悲しみを描いているのです。そして、生き残った僕たちは、今もこの病気と闘い続けるべきだと思っています。

メイン

『BPM ビート・パー・ミニット』
3月24日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペース他にて全国ロードショー
脚本・監督:ロバン・カンピヨ
出演:ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート アルノー・ヴァロワ アデル・エネル
配給:ファントム・フィルム

【ストーリー】 1990年代初めのパリ。エイズの治療はまだ発展途上で、誤った知識や偏見をもたれていた。「ACT UP Paris」のメンバーたちは、新薬の研究成果を出し渋る製薬会社への襲撃や高校の教室に侵入し、コンドームの使用を訴えたり、ゲイ・プライド・パレードへ参加するなどの活動を通し、エイズ患者やHIV感染者への差別や不当な扱いに対して抗議活動を行っていた。行動派のメンバーであるショーンは、HIV陰性だが活動に参加し始めたナタンと恋に落ちる。しかし、徐々にショーンはエイズの症状が顕在化し、次第にACT UPのリーダー・チボーやメンバーたちに対して批判的な態度を取り始めていく。そんなショーンをナタンは献身的に介護するが…。

(c) Céline Nieszawer