ソフィア・コッポラ「女性の視点から映画が作られるのは素晴らしい」映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』ジャパンプレミア

2017年カンヌ国際映画祭において監督賞受賞を果たしたソフィア・コッポラ監督最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』が2月23日より全国ロードショーとなる。これに先立ち、ソフィア・コッポラ監督が1月17日に来日し、LUMINE0にてジャパンプレミアイベントが開催。花束ゲストとして女優の草刈民代が駆けつけた。

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7人の女性たちの心理描写や装いを美しく表現しつつ、ソフィア作品の過去のイメージを大きく覆す愛憎劇を描いた『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』。初のスリラー作品を手がけたコッポラ監督は「本作は南北戦争時代のアメリカ南部が舞台ですが、私はこの時代にとても興味がありました。同時に、ここで暮らしていた女性たちに興味があり、現在も繰り広げられている男と女の愛憎劇を描いてみたかった」と本作が誕生した経緯を語った。

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2017年カンヌ国際映画祭において、女性監督としては56年ぶり二人目の監督賞を受賞したコッポラ監督。本作も多くの女性キャストやスタッフによって製作されているという。「今回の作品は大変まれだと思います。ほとんどの出演者が女性で男優はひとりだけ。今現在、アメリカでも女性監督が活躍しています。このことは大変嬉しいですし、女性の視点から映画が作られるのは本当に素晴らしいと思います」と、女性の社会活躍についてコメントした。

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イベントの途中には、花束ゲストとして女優の草刈民代が駆け付けた。映画の公開を祝福した草刈は、映画の感想について「本当に美しい映画。そして厳しい映画。スリラーというよりも、女性が生きていくために、子どもたちを守るためにという、とてもリアルな厳しさを感じた」と持論を展開。これに対してコッポラ監督は「私自身も登場人物になりきって、その時の思いを想像しながら描きました。これまでの私の作品よりは、よりドラマチックな物語ですが、人間味を忘れてはいけないと思い、自分ならどうするかを常に考えながら作っていきました」と応えた。

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今後の日本での撮影は?という質問には「私は日本に滞在することが大好き。日本の文化や伝統にとても興味があります。ですから、(日本での撮影が)できたらいいなとは思ってますが、残念ながら具体的なプランはなくて、次回作も決まっておりません。でも、ぜひまた日本に長く滞在したいです」とにこやかに語っていた。

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『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
2月23日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
監督:ソフィア・コッポラ
出演:ニコール・キッドマン エル・ファニング キルスティン・ダンスト コリン・ファレル
配給:アスミック・エース、STAR CHANNEL MOVIES

【ストーリー】 アメリカ南部の世間から隔絶された女子寄宿学園に暮らす美しき女性7人。ある日、負傷した北部の敵兵に遭遇し屋敷へと運び手当をする。女性に対し紳士的でかつ美しい男性と触れ合う中で、誰もが彼に心を奪われていく。しかし、次第に彼女たちは情欲と危険な嫉妬に支配されてしまう。秩序を守るか、欲望を取るか、彼女たちが最後に下した決断とは…。

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