4月10日、映画『炎上』が公開初日を迎え、東京・テアトル新宿にて舞台挨拶が実施され、主演の森七菜、一ノ瀬ワタル、そして監督の長久允が登壇した。

本作は、新宿・歌舞伎町を舞台に、居場所を求める若者たちの姿をリアルに描いたオリジナル長編映画。長久監督が約5年の取材を重ねて完成させ、第42回サンダンス映画祭NEXT部門にもノミネートされるなど、国際的にも注目を集めている話題作だ。
満員御礼の観客を前に森は「上映直後ということで、皆さんがどんなことを感じたのかすごく気になっています。もう一度観たくなるようなお話ができたら」と笑顔で挨拶。ピンク色の公式キャラクター“炎上ちゃん”をあしらった衣装についても「かわいく入れてもらいました」と紹介し、会場を和ませた。
撮影は実際の歌舞伎町で行われ、森は「現地に滞在しながら、そこにいる人たちを肌で感じられたことが刺激的でした」と振り返る。さらに「“僕が本物のトー横キッズだぞ!”と声をかけられたことがあって、その一言でじゅじゅとしての気持ちをつかめた気がする」とリアルな体験を明かし、役作りの深さを語った。
一方、一ノ瀬は自身が演じたKAMI役について、「優しいだけじゃない存在にしたかった」と語り、劇中でカットされたタトゥー設定など裏話も披露。さらに劇中歌『ラザニア』の歌唱シーンについても「優しさと怖さが同時にある曲。その両方を出したかった」と役へのこだわりを見せた。
イベントではタイトルにちなみ“炎上するほど夢中になっていること”も発表。一ノ瀬はウサギの出産エピソードを熱弁し、思わぬ長話に会場から笑いが起こる場面も。そんな中、森は自身の“炎上エピソード”として「断捨離」を挙げ、「捨てることに火がついて、いるものまで人にあげちゃうんです」と告白。「後で友達がオシャレに着ているのを見て“ちょっとそれ返して!”って(笑)」と語り、ユーモアあふれるコメントで会場を沸かせた。
また森は、サンダンス映画祭での上映を振り返り、「2回目に観た時に、じゅじゅとして過ごした時間の辛さを実感して涙が出た」と吐露。作品と深く向き合ったからこその心境を明かした。
最後の挨拶で森は「誰かにとって“自分だけの特別な1本”になってくれたら嬉しい」と語りかけ、「大切な人にだけ教えたい、そんな映画になっていたら」と観客にメッセージを送った。
社会の片隅で生きる若者たちの現実と、その中で揺れる心を描いた本作。観る者に強い余韻を残す一作となっている。


■作品情報
作品名:『炎上』
公開日:2026年4月10日(金)公開中
出演:森七菜、アオイヤマダ、曽田陵介、古舘寛治、松崎ナオ、新津ちせ、森かなた、髙橋芽以、一ノ瀬ワタル
監督・脚本:長久允
音楽:岩井莉子、山田勝也、小嶋翔太
主題歌:窓辺リカ「炎上」
配給:NAKACHIKA PICTURES
©映画『炎上』製作委員会

