塚本晋也監督最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』公開決定!“戦争加害者の傷”に切り込む衝撃作

塚本晋也監督の最新作『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』が、9月より全国公開されることが決定した。本作は、ベトナム戦争に従軍したアレン・ネルソンの実体験をもとにしたノンフィクションを原作に、戦争が人間に与える深い傷と、加害者としての苦悩に真正面から向き合う意欲作だ。

『野火』『斬、』『ほかげ』と、戦争や暴力の本質を描き続けてきた塚本監督が、本作で挑むのは“戦争加害者の傷”というこれまであまり描かれてこなかったテーマ。構想から完成まで7年を費やし、葛藤を抱えながらも映像化に踏み切った集大成とも言える作品となっている。

物語の主人公は、ニューヨークの貧しい家庭に生まれた青年アレン。差別と貧困から抜け出すため海兵隊に入隊し、沖縄のキャンプ・ハンセンを経てベトナム戦争の最前線へと送られる。そこで彼を待ち受けていたのは、映画のヒーローのような栄光ではなく、村人すべてを疑い、命を奪うことを強いられる凄惨な現実だった。人を殺める経験を重ねるうち、アレンの心は徐々に感覚を失っていく。

帰国後も彼を苦しめたのは、戦場の記憶だった。大きな音や暗闇に怯え、家族関係も崩壊。やがてホームレスとなり、孤独と絶望の中で生きることになる。そんな彼に手を差し伸べるのが、退役軍人病院のダニエルズ医師。戦争の後遺症と向き合いながら、人間として再生しようとする姿が描かれる。

キャストには、ジェフリー・ラッシュをはじめ、ロドニー・ヒックス、タチアナ・アリ、マーク・マーフィーら国際色豊かな俳優陣が集結。ニューヨーク、タイ、ベトナム、日本と複数国にまたがる大規模ロケが敢行され、重厚なドラマを支えている。

塚本監督は、「今の世界に絶対に必要な物語」と語り、戦争が人をどのように変え、周囲にどのような影響を与えるのかを観客に問いかける。本作は、戦争の記憶と向き合うことの意味を突きつける、強烈な一作となりそうだ。

■作品情報
タイトル:『ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?』
公開:9月、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督・脚本・撮影・編集:塚本晋也
原作:「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか? ベトナム帰還兵が語る『ほんとうの戦争』」(アレン・ネルソン著/講談社文庫刊)
出演:ロドニー・ヒックス、ジェフリー・ラッシュ、マーク・マーフィー、タチアナ・アリ
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ

©Mr. Nelson, Did You Kill People? Film Partners