「進む。ただ、未来へ。」白色テロの時代を生き抜くふたりの運命『霧のごとく』公開決定

『熱帯魚』『1秒先の彼女』で知られるチェン・ユーシュン監督の最新作『霧のごとく』が、5月8日(金)より全国公開されることが決定。あわせてポスタービジュアル、予告編、場面写真が解禁された。

本作は、第62回金馬奨にて最優秀作品賞を含む4冠を受賞した話題作。1950年代の台湾を舞台に、戒厳令下で起きた「白色テロ」という歴史的悲劇を背景に、深い傷を抱えた人々の再生と希望を描く。

物語の舞台は、戦後間もない1950年代の台湾。反政府分子として捕らえられた兄が処刑されたことを知った少女・阿月(アグエー)は、遺体を引き取るため、故郷・嘉義から一人で台北へ向かう。手元には、わずかな金と兄の形見の時計だけ。しかし、遺体の引き取りには高額な費用が必要で、阿月は途方に暮れる。さらに騙され、遊郭に売られそうになるという過酷な状況に追い込まれるが、そこに現れたのが人力車の車夫・趙公道(ザオ・ゴンダオ)だった。

広東出身の公道は、国民党軍の元兵士。戦後、台湾に渡ったものの故郷へ帰ることもできず、白色テロによって仲間を失い、行き場のない人生を送っていた。そんな彼は阿月の強い想いに心を動かされ、彼女に手を差し伸べる。先の見えない時代の中で出会った二人は、互いの傷に寄り添いながら、過酷な現実に立ち向かっていく――。やがて迎えるラストには、観る者の心を優しく包み込む“奇跡”が待ち受ける。

解禁されたポスタービジュアルには、公道と阿月の静かな絆を象徴する姿が映し出されている。深い霧の中、少女が青年の背にそっと手を添える構図が印象的で、「進む。ただ、未来へ。」というコピーが、混迷の時代に生きる人々の意志を力強く伝える。

予告編では、兄の遺体を探して台北へ辿り着いた阿月と、公道との出会い、そして次第に心を通わせていく様子が描かれる。一方で、公道に持ちかけられる危険な仕事や、時代のうねりに翻弄される運命も映し出され、緊迫感と切なさが交錯する内容となっている。ラストには、亡き兄が阿月に語りかける印象的なシーンも登場し、物語の余韻を強く残す仕上がりだ。

▼予告編

■作品情報
タイトル:『霧のごとく』
公開日:2026年5月8日(金)
監督・脚本:チェン・ユーシュン
キャスト:ケイトリン・ファン、ウィル・オー、9m88、ツェン・ジンホア、リウ・グァンティン、ビビアン・ソン
上映時間:134分
製作国:台湾
原題:大濛
配給:JAIHO/Stranger
上映劇場:シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、Strangerほか全国順次公開

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