香港の小さな食堂に集う人々のまなざしを描くドキュメンタリー『日泰食堂』5月30日公開

2024年の釜山国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した映画『日泰食堂』(読み:にったいしょくどう)が、5月30日よりユーロスペースほか全国で順次公開されることが決定した。香港の離島・長洲(チョンチャウ)にある小さな食堂を舞台に、そこに集う人々の暮らしと、変化する社会の中で揺れ動く日常を静かに見つめたドキュメンタリーである。

物語の舞台は、香港島から南西へ船で約30分の場所にある小さな島・長洲。漁村としても知られる穏やかなこの島に、「日泰食堂」という食堂がある。島民たちはここに集い、ビールを片手にトランプやマージャンを楽しみながら、日々の時間を共有している。

しかし、世界は少しずつ変わり始めている。香港社会を揺るがす出来事や市民の熱気は、都市から離れたこの島にも波のように届き、食堂に集う常連客たちの生活にも影響を与えていく。テレビを食い入るように見つめる店主、情報を追い続ける若者たち。彼らはそれぞれの距離感で、時代の大きなうねりを受け止めていく。

さらに世界を覆ったパンデミックが、この小さな食堂にも大きな変化をもたらす。変わりゆく社会の中で、それでも人々は日常を重ね、互いを支えながら生きていく。映画は、食堂に集う人々の姿を通して、社会の変化と人間の営み、そして「変わるもの」と「変わらずそこにあり続けるもの」を丁寧に映し出していく。

監督を務めたのは、本作が初の長編ドキュメンタリーとなるフランキー・シン。自身が生まれ育った長洲の中で通い続けていた「日泰食堂」を舞台に、家族のような絆で結ばれた人々の姿を記録した。長年の関係で結ばれた“血のつながらない家族”の物語として、温かな視線で彼らの日々を見つめている。

本作は2024年の釜山国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したほか、台北金馬映画祭や山形国際ドキュメンタリー映画祭でも上映された注目作。香港の小さな食堂を通して、世界の変化と人間の暮らしの尊さを静かに映し出す一作となっている。

■作品情報
タイトル:日泰食堂
原題:日泰小食
英題:Another Home
監督:フランキー・シン(冼澔楊)
撮影:フランキー・シン、マイケル・タン、ジェイソン・M、ヘンリー・レオン
編集:リン・イーチュー
整音:エディ・ホアン
音楽:スン・グオドン
製作:ステファノ・チェンティーニ、チュウ・ピンユー、ピーター・ヤム、グザヴィエ・ロシェ
製作国:台湾・香港・フランス
上映時間:83分
公開日:2025年5月30日
公開:ユーロスペースほか全国順次公開
配給:太秦

提供:飛望影像有限公司