ムスリム女性たちの“100日間の抵抗”を追うドキュメンタリー『わたしの聖なるインド』公開決定

2023年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で市民賞(観客賞)を受賞したドキュメンタリー映画『わたしの聖なるインド』が、2026年6月6日より東京・渋谷ユーロスペースほか全国で順次公開されることが決定した。公開決定にあわせてビジュアルと特報映像が解禁され、監督のコメントも到着している。

本作は、インドで起きた歴史的な抗議運動「シャヒーン・バーグの座り込み」を中心に、ムスリム女性たちの平和的抵抗と社会の変化を追ったドキュメンタリー。原題は「Land of My Dreams」で、監督・撮影・編集を務めたのはムスリム女性の映画作家ノウシーン・ハーンだ。

2019年12月、インド政府はイスラム教徒を事実上排除する内容だとして国内外で大きな批判を受けた「市民権改正法(CAA)」を制定。これに反発する抗議活動が各地で広がる中、ニューデリーのジャミア・ミリア・イスラミア大学では警察が大学構内に突入し、無抵抗の学生たちに暴力を振るう事態が発生。200人以上の負傷者と多数の逮捕者を出す事件となった。

この弾圧と差別的な法案への抗議として、ニューデリー南部のムスリム居住区シャヒーン・バーグでは、女性たちを中心とした大規模な座り込み運動が始まる。彼女たちは政府与党や支持者から「反国家主義」「非国民」と非難されながらも、政府による宗教差別と弾圧は「憲法違反」であると訴え、日常生活を送りながら幹線道路を封鎖。その非暴力で平和的な抗議は100日以上にわたって続き、世代や宗教、文化の垣根を越えてインド全土へと共感を広げていく。しかし、デリー議会選挙の時期を境に状況は急激に緊迫。トランプ大統領のインド訪問に世界の注目が集まる中、警察による強制排除が行われ、運動は大きな転機を迎える。

本作は、この歴史的抗議運動の軌跡を追うと同時に、社会の中で不可視化されてきたムスリム女性たちの声に焦点を当てる。監督のノウシーン・ハーンは、自身もムスリム女性としての視点から、ヒンドゥー至上主義が台頭するインド社会の実像を見つめ直しながら、自らの生き方と国家のあり方を問い直していく。

インド国内では上映が困難な状況に置かれながらも、2023年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で市民賞(観客賞)を受賞。世界から注目を集めた作品が、ついに日本で劇場公開される。

ノウシーン・ハーン監督は日本公開について、「この作品が日本で公開されることをとても嬉しく思います。映画で描かれている弾圧への抵抗、正義、自由に対する信念は、今日の世界で抑圧的な体制と戦うことがますます困難になる中で、頼りになる力だと考えています。皆さまがこの作品に深く共感してくれるのであれば、それは計り知れない希望となるでしょう」とコメントを寄せている。

▼特報映像
https://youtu.be/rITpZh9WnC0

■作品情報
タイトル:わたしの聖なるインド
原題:Land of My Dreams
公開日:2026年6月6日(土)
公開劇場:渋谷ユーロスペースほか全国順次
監督・撮影・編集:ノウシーン・ハーン
音楽:クシュ・アシェール
宣伝:リガード
宣伝美術:中野香
配給:きろくびと
製作年:2023年
製作国:インド
言語:ヒンディー語、英語
上映時間:74分

©2023 Nausheen Khan