プロレタリア小説家・谷口善太郎の激動の人生と文学の軌跡を描くドキュメンタリー映画『谷口善太郎 たたかう小説』が完成し、2026年5月29日(金)より東京・Strangerほか全国で順次公開されることが決定した。あわせてメインビジュアルと予告編も解禁された。

本作は、戦前の厳しい弾圧の中で文学を武器に時代と闘った作家・谷口善太郎の知られざる生涯を追う評伝ドキュメンタリー。日本が中国大陸への侵略を進めていた1931年、谷口は〈須井一〉のペンネームでプロレタリア文学の新鋭として文壇に登場。突如現れた新星は瞬く間に注目を集め、処女作「三・一五事件挿話」、続く長編『綿』は評論家から高い評価を受けた。
1899年、北陸の小作農の家に生まれた谷口は、幼いころから陶器工場で働きながら家計を支えた。父の死をきっかけに京都へ移り、大学進学を目指して清水焼の職人として働くが、第一次世界大戦後の恐慌で貯めていた進学資金を失う。絶望の中で労働運動と出会い、日本共産党に入党。社会運動に身を投じるようになる。
しかし、戦争へと突き進む日本社会の中で、革新的思想は厳しい弾圧の対象となる。1928年、治安維持法による三・一五事件で逮捕され、激しい拷問を受け瀕死の状態となる。仮釈放後も執筆や面会を禁じられ、自宅で病臥と軟禁状態の日々を送ることになる。そんな中、プロレタリア作家同盟の小説家・貴司山治の強い勧めにより、谷口は小説執筆へと再び立ち上がる。若い頃から短歌や俳句、小説に親しんでいた文学的素養は、弾圧の時代の中で花開いていった。
本作は、研究者や関係者、市民への取材を通じて、戦後には〈たにぜん〉の愛称で親しまれ政治家としても活動した谷口善太郎の青春と作家時代の苦闘を浮かび上がらせる。約5年にわたる取材と撮影を経て完成した、インディペンデント精神あふれるドキュメンタリーとなっている。
監督は、『ロボジー』『舞妓はレディ』『サバイバルファミリー』『カツベン!』などでプロデューサーとして活躍してきた土本貴生。本作で初監督を務める。ナレーションと朗読は、『千と千尋の神隠し』で主人公・千尋の声を担当した柊瑠美が務め、作品の世界を語りで彩る。
■作品情報
タイトル:谷口善太郎 たたかう小説
公開日:2026年5月29日(金)より東京・Strangerほか全国順次ロードショー
ナレーション・朗読:柊瑠美
声の出演:川合諒、今里真
出演:
大田努、秦重雄、岩渕剛、北村周士、松尾隆司、穀田恵二、薮田秀雄、佐藤和夫、大槻孝一、藤本貞子、加藤俊勝 ほか
製作・構成・監督:土本貴生
撮影:仲村逸平、勝賀瀬重憲
編集:村上雅樹
整音:郡弘道
音楽:谷口尚久
製作年:2025年
製作国:日本
上映時間:111分
ジャンル:ドキュメンタリー
配給・宣伝:京都映画センター
©2025『谷口善太郎 たたかう小説』

