映画への深い愛情と緻密な脚本設計から生まれたコメディ作品『夜中のポップコーン』が公開へ向けて動き出した。本作は2025年の田辺・弁慶映画祭で観客を笑いに包み、審査員による「キネマイスター賞」を受賞。さらに「田辺・弁慶映画祭セレクション2026」にて上映され、全国公開も視野に展開されていく注目作だ。

物語の舞台は金曜の夜。テレビで放送される映画を観るため、三澤の家に集められた三人の女性。ところが主催者の三澤が突然不在となり、初対面同士の長田と松野は気まずいまま映画鑑賞を始めることになる。やがて会話が生まれ、映画にまつわる思い出を語り合ううちに、三人の過去の因縁や後悔が静かに浮かび上がっていく――。
本作は、映画を“観る行為”そのものをテーマにしたユニークな構造を持つ。テレビで同時に映画を観るという体験と、映画館でその様子を観るという入れ子構造が生み出す不思議な臨場感。何気ない会話の中から人間関係の機微や心の揺れが浮かび上がり、笑いと余韻を残す。シンプルな設定ながら、観るほどに新たな発見があるウェルメイドな作品に仕上がっている。
監督は『自宅警備員と家事妖精』で長編デビューを果たした藤本匠。演劇の演出家として培ったリズム感を活かし、ギャグに頼らない完成度の高いコメディを構築した。脚本は俳優としても活動する谷風作。自身の映画体験をもとにした細やかな構成が作品に温かみとリアリティを与えている。
主演は長田礼菜役の鳩川七海、三澤喜子役の笠松遥未、松野希役の中尾多福。舞台を中心に活躍してきた三人の実力派俳優が、それぞれの個性を活かしながら絶妙なアンサンブルを見せる。日常のささやかな時間の中で生まれる笑いと感情の揺れを、確かな演技力で丁寧に描き出した。
『夜中のポップコーン』は、映画を愛するすべての人へ向けた一作だ。友人の家に集まり同じ映画を観るときの高揚感、初対面の人との気まずさ、そして同じ作品を共有する喜び。そんな“映画体験”そのものを温かく、そしてユーモラスに描き出す。
▼予告編
■作品情報
タイトル:夜中のポップコーン
出演:鳩川七海、笠松遥未、中尾多福、村上亮太朗、谷潤一
声の出演:谷風作、天知ひまり、淡海優、大沢真一郎
監督:藤本匠
脚本:谷風作
音楽:本城祐哉、藤本匠
配給:GeneHeart
製作年:2025年
製作国:日本
上映時間:46分
公開:「田辺・弁慶映画祭セレクション2026」(2026年5月・6月)ほか、全国公開予定 
©『夜中のポップコーン』製作委員会

