アンデスに生きる“少女の運命”を描く、衝撃と祈りに満ちた物語『少女はアンデスの星を見た』予告編

2024年アカデミー賞国際長編映画賞・ペルー代表に選出され、名作『アンデス、ふたりぼっち』のオスカル・カタコラ監督が遺した渾身の一作『少女はアンデスの星を見た』が、12月20日(土)より新宿K’s cinemaで公開される。このたび、本作の予告編が解禁された。

公開された予告編は、雄大なアンデス山脈を背景に、主人公ヤナワラ(ルス・ディアナ・ママニ)がひとり佇む印象的なシーンから幕を開ける。彼女を育てる祖父・ドン・エバリスト(セシリオ・キスぺ)は、ヤナワラを教育へ導こうとするが、その選択が少女の運命を狂わせていく。審問の場面とともに、共同体の強い慣習、そしてアンデスに根深く息づく精霊信仰が交錯。ヤナワラが経験する“暴力の記憶”と共に、闇の中で揺らめく炎の映像に「差別と暴力――アンデスの女性が置かれた現実が渦巻く」という言葉が重く突き刺さる。

予告編の締めくくりには、主演のルス・ディアナ・ママニが2024年・国際ガールズ・デーで発したメッセージが挿入される。「私たちには、まだ多くの障害が立ちはだかっている。差別、暴力、質のある教育、そして私たちの声への無関心。私たち少女は自分たちの権利の擁護者になりたいし、なれるのです」この希望の言葉が、暗闇を切り裂くように響きわたる、強烈な予告編に仕上がっている。

ヤナワラ役のルス・ディアナ・ママニは撮影地コントゥリリ地区でスカウトされ、本作が初演技となる。祖父を演じるセシリオ・キスぺもまた現地での紹介によって参加。リアリティを纏わせる“アンデスそのものの息遣い”をスクリーンに刻む。

本作の制作中、オスカル・カタコラ監督が急逝。その遺志を、長年コンビを組んできた叔父ティト・カタコラ監督が継ぎ、標高4,000メートル近い過酷な環境で撮影を完遂した。アンデスの生命・死・霊性をモノクロ映像で深淵に描き出し、すでに各国の映画賞で高い評価を獲得している。

▼予告編
https://youtu.be/86JRaSOdUwg

■作品情報
タイトル: 少女はアンデスの星を見た
監督: ティト・カタコラ、オスカル・カタコラ
プロデューサー: ティト・カタコラ
脚本: オスカル・カタコラ
撮影: フリオ・ゴンザレス、ティト・カタコラ、オスカル・カタコラ
出演: ルス・ディアナ・ママニ、セシリオ・キスぺ
2023/ペルー/アイマラ語/104分/モノクロ/4:3
原題: Yana-Wara
配給: ブエナワイカ
公開: 2025年12月20日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

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