長年多くの読者に愛されてきた、いしいしんじの名作小説『トリツカレ男』(新潮文庫刊)がついに映画化。せつなく眩しいラブ・ストーリーと音楽が融合したミュージカルアニメーション映画『トリツカレ男』が全国公開を迎え、11月7日(金)に新宿ピカデリーで初日舞台挨拶が行われた。登壇したのは、主人公ジュゼッペ役の佐野晶哉(Aぇ! group)、ヒロイン・ペチカ役の上白石萌歌、シエロ役の柿澤勇人、ツイスト親分役の山本高広、主題歌を担当するAwesome City Club、そして髙橋渉監督。会場は温かな拍手と笑顔に包まれた。

ヒロイン・ペチカを演じた上白石萌歌は、初日を迎えた心境を次のように語った。「1回目の舞台挨拶を家族が九州から観てくれていて、“涙が出た”とメッセージをくれました。今日はとても良い天気で、あったかい日差しや気候にまでこの作品の温かさが伝わっているような、世界が“トリツカレ日和”なんじゃないかと思いました」。さらに、作品の魅力についても「季節の移ろいが丁寧に描かれていて、春・夏・秋・冬を通して心があたたかくなる。どのシーンも美しく、額に入れて飾りたいほど」と、アニメーションへの深い愛情を込めて語った。
終盤には「ペチカの衣装と今日の私の服、シンクロ率がすごくないですか?」と観客に呼びかけ、客席からは笑いと拍手が起こる場面も。「混じりけのない真心や愛、ひたむきな気持ちがたくさん詰まった作品です。大人になると夢中になることが少なくなるけれど、誰かをひたむきに想うことはやっぱり素敵だなと思いました」とメッセージを贈った。
主人公ジュゼッペを演じた佐野晶哉は、「23年の人生を振り返ると、楽しかった瞬間はいつも何かに“トリツカレていた”時。アイドル活動も、メンバーと夢中で頑張ってきた時間があったから今がある。トリツカレることは無駄じゃないと思わせてくれる作品です」と熱く語る。
柿澤勇人は「これまで悪役が多かったけれど、シエロのように温かい役を演じられて嬉しい」と笑顔を見せ、山本高広は「ギャングだけどお笑い担当なので、笑ってほしい」とコメント。Awesome City Clubのatagiも「父が和歌山で観て“素晴らしい物語だね”と連絡をくれた。胸がいっぱいです」と感極まった様子を見せた。
イベントでは、TEMPURA KIDZ・KARINが振付を担当した劇中歌「ファンファーレ~恋に浮かれて~」に合わせ、キャストと観客が一緒にオリジナルダンスを披露。佐野が「みんなで踊りませんか?」と呼びかけると、会場は大盛り上がり。最後に佐野が「120点です!」と満面の笑みを見せ、温かな熱気に包まれたままイベントは幕を閉じた。






■作品情報
タイトル: 『トリツカレ男』
原作: いしいしんじ『トリツカレ男』(新潮文庫刊)
監督: 髙橋 渉
脚本: 三浦直之
キャスト:
ジュゼッペ:佐野晶哉(Aぇ! group)/ペチカ:上白石萌歌/シエロ:柿澤勇人/
ツイスト親分:山本高広/ペチカの母:水樹奈々/タタン:森川智之
主題歌: Awesome City Club「ファンファーレ」
配給: バンダイナムコフィルムワークス
©2001 いしいしんじ/新潮社 ©2025 映画「トリツカレ男」製作委員会

