10年の時を経て、この冬、ついに沈黙を破る。海外映画祭で大きな話題を呼んだ伊藤詩織監督の長編ドキュメンタリー『Black Box Diaries(ブラックボックス・ダイアリーズ)』が、12月12日(金)よりT・ジョイPRINCE品川ほかにて日本公開されることが決定した。あわせて、本ビジュアルが解禁された。

本作は、ジャーナリスト・伊藤詩織が自身の実体験をもとに、沈黙を強いられてきた“ブラックボックス”の内側を、自らカメラを回して記録した衝撃のドキュメンタリー。2015年4月3日、当時25歳だった伊藤は思いもよらぬ【同意のない性被害】を受ける。実名を公表し、事件と対峙する決意をした彼女の世界は一変。社会の壁と闘いながら、「沈黙」を解き続けるその姿を、圧倒的なリアリティで描き出している。
個人の記録にとどまらず、性暴力の問題を通じて社会構造の歪みや偏見を浮き彫りにする本作。伊藤が声を上げ続ける痛みと、それでもなお見出す希望の光が、観る者の心を深く揺さぶる。2017年の記者会見から8年に及ぶ製作期間を経て完成したこの映画は、イギリス・アメリカとの国際共同製作として制作され、2024年サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門へ正式出品。さらに世界各国の映画祭で高い評価を受け、第97回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門で日本人監督として初めてノミネートされた。
【監督コメント】
「本作は、私が被害直後から日本で直面した現実を追い、記録した作品です。逮捕は直前で止められ、証拠や証言は黒塗りでした。それでも集めた真実の“かけら”をつないだのが本作です。どうか私の名をいったん忘れ、身近な人の出来事として観てください。もし同じことがあなたや大切な人に起きたなら、何を信じ、どう動くのか。観終えたあとに交わされる小さな一言が、沈黙をほどき、次の誰かを守り、社会を少しずつ動かす力になると信じています。」
本ビジュアルは、白を基調に、タイトルの間から伊藤監督のまなざしがのぞく印象的なデザイン。「Black」というタイトルとは対照的に“光”を象徴する白を配し、閉ざされていた“Black Box”が開かれ、真実が明らかになっていく過程を象徴している。
■作品情報
タイトル: 『Black Box Diaries』
監督: 伊藤詩織
上映時間: 1時間42分
プロデューサー: エリック・ニアリ、ハナ・アクヴィリン、伊藤詩織
企画: 河村光庸
エグゼクティブ・プロデューサー: 四宮隆史、村松秀信、ロビーナ・リッチティエッロ、ジョシュ・ピーターズ、ニナ・L・ディアズ、ライザ・バーネット・フェターマン
編集: 山崎エマ
撮影: ハナ・アクヴィリン、岡村裕太、伊藤詩織、大塚雄一郎
音楽: マーク・デグリ・アントニ
製作: Hanashi Films、Cineric Creative、スターサンズ
配給: スターサンズ、東映エージエンシー
協力: 日活
公開日:2025年12月12日(金) T・ジョイPRINCE品川ほか全国順次公開
©Star Sands , Cineric Creative , Hanashi Films

