「境界線を超えて、わたしはあなたになる」坂本憲翔監督『イマジナリーライン』特報&ポスタービジュアル解禁!

第21回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門をはじめ、国内映画祭で注目を集める坂本憲翔監督の長編デビュー作『イマジナリーライン』が、2026年1月17日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開されることが決定した。あわせて、特報映像とポスタービジュアルが解禁された。

本作は、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻の卒業制作作品として誕生した人間ドラマ。映画学校を卒業して間もない山本文子(中島侑香)と、親友のモハメド夢(LEIYA)は、アルバイトをしながら映画を作り続ける日々を送っていた。ところが、ある旅先で夢が“在留資格”を持たないことが発覚し、入管施設に収容されてしまう——。制度の壁に阻まれながらも、希望を求めて立ち上がる二人の姿を通して、「見えない境界線」を見つめ直す作品だ。

坂本監督は、仮放免者や被収容者、支援者への取材を重ね、入管内部の実態にまで踏み込んだ。撮影では即興演出を取り入れ、俳優の生々しい演技を引き出すことで強靭なリアリティを獲得している。修了制作上映後には各地でティーチイン付き上映が行われ、第21回大阪アジアン映画祭を皮切りに、第19回田辺・弁慶映画祭、第26回TAMA NEW WAVEなどにも正式出品が決定するなど、すでに高い注目を集めている。

解禁されたポスタービジュアルは、主人公・文子と夢の二人を並べた構図の中央に白い線が引かれ、「境界線(イマジナリーライン)を超えて、わたしはあなたになる」という印象的なコピーが添えられている。これは映像用語「イマジナリーライン(仮想の線)」に由来し、人と人との間に存在する“見えない線引き”を象徴している。

一方、特報映像では、文子と夢の何気ない会話や写真撮影のシーンから一転、突如として引き裂かれる瞬間が描かれる。フォトジャーナリスト・安田菜津紀氏による「恐怖や不安を燃料にする扇動的な言葉に出くわしたとき、夢のことを思い出してほしい」というコメントが、作品のメッセージを静かに響かせる。

▼特報

■作品情報
タイトル: 『イマジナリーライン』
監督・脚本: 坂本憲翔
出演: 中島侑香、LEIYA、丹野武蔵、早織、松山テサ、鈴木晋介、諏訪敦彦、生津徹、Obueza Elizabeth Aruoriwo
脚本: 峰岸由依、横尾千智
プロデューサー: 小池悠補
音楽: 奥村一斗
製作: 東京藝術大学大学院映像研究科
配給: Lamp.
公開日: 2026年1月17日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー

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