「あなたは、あたしの、誰なんだ——」少女たちの“死の向こう側”を描く『白の花実』予告編&ビジュアル解禁!

『21世紀の女の子』(「reborn」)や『レイのために』『木が呼んでいる』で注目を集めた坂本悠花里監督が、ついに長編劇映画デビューを果たす。映画『白の花実』(しろのかじつ)が、12月26日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開される。このたび、本作のポスタービジュアルと予告編が解禁された。

解禁されたビジュアルには、三人の少女——杏菜(美絽)、栞(池端杏慈)、莉花(蒼戸虹子)が寄り添う姿が収められている。黒衣に身を包んだ主人公・杏菜の表情には孤独と覚悟が、彼女に寄り添う栞には優しさと揺らぎが、そして視線を落とす莉花には“死”の静けさが宿る。コピーには「あなたは、あたしの、誰なんだ」という意味深な言葉が添えられ、白い花がタイトル横にあしらわれている。

予告編は「ねえ、莉花ってなんで自殺しちゃったんだと思う?」という杏菜の一言から幕を開ける。寄宿学校を舞台に、三人の少女たちの友情、葛藤、そして“死”に触れる瞬間が幻想的に描かれていく。莉花の死をきっかけに、杏菜の身体に青白い“魂”が入り込み、現実と幻の境界が溶けていく。門脇麦演じる教師・澤井が「そういうのは暴力と言うんです!」と叫ぶ場面も印象的で、少女映画の新たな地平を感じさせる。

終盤のナレーションが、本作のテーマを静かに貫く。『ピクニック at ハンギング・ロック』を彷彿とさせる映像美と余白の演出に、早くも絶賛の声が寄せられている。

『下妻物語』の作家・嶽本野ばらが本作を鑑賞し、詩的なコメントを寄せている。
「果実の中で種子が抱いているのは世界への希望か恐れか?
何にでも染まる筈の白が一点の汚れも拒む時、称賛は非難に変わる。
少女は誠実と残酷の二律背反に折り合いをつけない。
だから彼女達の命は花となり揺れる。」
嶽本野ばら(作家)

▼予告編

■作品情報
タイトル:白の花実(しろのかじつ)
英題:White Flowers and Fruits
監督・脚本・編集:坂本悠花里
出演:美絽、池端杏慈、蒼戸虹子、河井青葉、岩瀬亮、山村崇子、永野宗典、田中佐季、伊藤歩、吉原光夫/門脇麦
プロデューサー:山本晃久
製作・配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
公開日:2025年12月26日(金)
上映館:新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
上映時間:110分/カラー/DCP/5.1ch/ビスタサイズ

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