「たとえ朽ち果てようとも、あなたを愛し続ける。」江戸川乱歩没後60周年記念作品『蟲』本予告&本ポスター解禁!

江戸川乱歩の中編小説「蟲」を原案に、新たな解釈を加えて現代劇として蘇る映画『蟲』(10月17日公開)の本予告映像と本ポスタービジュアルが一挙解禁された。さらに、劇中シーンの場面カット10枚も公開され、作品の世界観がより鮮明に立ち上がっている。

初の映像解禁となる本予告は、不穏なAIの声で幕を開ける。「これは、私が記録したある人間の雄と雌による、とても奇妙な物語です。」

極端に人との接触を嫌う映画監督・柾木愛之助(平埜生成)と、小劇場女優・木下芙蓉(佐藤里菜)の出会いを軸に、大学時代の友人・池内(木口健太)、謎めいた女・小林(北原帆夏)を巻き込む四者の関係が歪んでいく。「ラブストーリーは始まったばかりです。」という言葉が響く中、狂気じみた愛の行方が描かれる。

予告映像では柾木が芙蓉の身体に絵の具を塗る衝撃的な場面や、小林が池内に向ける「一緒に狂ってもらえますか?」という挑発的な台詞も収められており、猟奇的な乱歩世界が映像として立ち上がっている。最後に映し出される芙蓉の「私は綺麗でしょうか?」という一言と蟲の羽音が、観る者の心に深い余韻を残す。

公開されたポスタービジュアルでは、儚げなヒロイン芙蓉(佐藤里菜)の姿が中央に。背後には柾木(平埜生成)が優しく手を添え、しかしどこか脆さを感じさせる構図となっている。

キャッチコピーは「たとえ朽ち果てようとも あなたを愛し続ける――。」柾木の想いなのか、それとも芙蓉の心の声なのか。歪んだ愛を象徴する印象的なビジュアルに仕上がった。

主演の平埜生成は初主演作に挑んだ心境を次のように語る。「この作品は『蟲』というタイトルからは想像つかないほどの“愛(AI)”が詰まっています。乱歩への愛、映画への愛、人間への愛にあふれています。夢中で駆け抜けた撮影でした。この“愛”の物語が、たくさんの方の胸をつき抜きますように!」

また、監督・脚本を務めた平波亘は、「ようやく時代が乱歩に追いつきつつあるのです。愚かものたちの叶わぬ愛を可視化することを目指しました。とても可愛くてポップな映画になったと思います。ぜひ劇場でご覧ください。」とコメントし、乱歩作品を現代に映し出す意図を明かした。

▼本予告

■作品情報
『蟲』
公開日:2025年10月17日(金)
劇場:シネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか全国順次ロードショー
出演:平埜生成、佐藤里菜、木口健太、北原帆夏、細川佳央、橋野純平、中山求一郎、山田キヌヲ
原案:江戸川乱歩「蟲」
監督・脚本:平波亘
製作:BBB/ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
2025年/日本映画/90分/R15+

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