第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門正式出品を果たし、世界中の映画祭で高い評価を集めるアリアン・ラベド監督の長編デビュー作『九月と七月の姉妹』(9月5日公開)より、本ポスタービジュアルとシーン写真4点が解禁された。
本作は、史上最年少でマン・ブッカー賞候補となった作家デイジー・ジョンソンの小説『九月と七月の姉妹』(原題:Sisters)に着想を得て制作された。10か月違いで生まれ、強く結びついた姉妹の歪な関係性が描かれる物語で、終わることのない悪夢のようなサイコスリラーが展開される。
今回解禁されたポスタービジュアルは、母親が自宅に設営した撮影スポットで撮られたという設定のもと、カメラをまっすぐ見据える姉妹・セプテンバーとジュライの姿を捉えたもの。お揃いのワンピースを着た2人は、「絡み合って、ほどけない」というキャッチコピーを体現するように、どこか不穏で異様な雰囲気を漂わせている。
あわせて解禁されたシーン写真4点には、学校や家庭、そして海辺の家<セトルハウス>で常に一心同体で過ごす姉妹の密接すぎる距離感が写し出されている。
姉・セプテンバーは強い意志で妹を支配し、妹・ジュライはそれに無意識のうちに従ってしまう。監督のアリアン・ラベドは、「ジュライの目や感覚を通して、彼女の世界に入り込んでいく構造」で物語を描いたとし、「生まれか育ちかという問いが自然と浮かび上がってくる」と語る。
さらに、「見慣れたものを異なる視点から見たときに生じる“緊張感”を探りたかった」と語るラベド監督は、「映画では通常見せないことが前提とされるもの、例えば生理用ナプキンやトイレ掃除、夢と現実の境界といった題材にもあえて挑んだ」と創作の意図を明かしている。
本作の監督・脚本を務めたアリアン・ラベドは、『アッテンバーグ』で映画デビューし、ヴェネツィア映画祭最優秀女優賞を受賞。その後、『ロブスター』(2015)などで知られるヨルゴス・ランティモスと結婚し、<ギリシャの奇妙な波(Greek Weird Wave)>の潮流を継ぐ存在として注目されてきた。
主演は“カンヌの新星”と称されたミア・サリアとパスカル・カン。アカデミー賞音響賞を受賞した『関心領域』のジョニー・バーンがサウンドデザインを手掛け、物語全体を不穏な空気で包み込んでいる。
■映画情報
タイトル:『九月と七月の姉妹』(原題:September Says)
監督・脚本:アリアン・ラベド
出演:ミア・サリア、パスカル・カン、ラキー・タクラー
原作:デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』(東京創元社刊)
レイティング:PG12
公開日:2025年9月5日(金)
公開劇場:渋谷ホワイトシネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
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