映画『21世紀の女の子』(2019)の一篇「reborn」で注目を集めた坂本悠花里監督が、自身初の長編劇映画として手がける『白の花実(しろのかじつ)』が、2025年12月26日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開されることが決定。あわせて、美絽、池端杏慈、蒼戸虹子ら主要キャストの出演情報とともに、監督およびキャストからのコメントが一斉に解禁された。
静かな森に佇む全寮制女子校を舞台に、少女たちの内なる揺らぎと目覚めを繊細かつ耽美に描き出す本作は、これまでにないガーリーな“ファントム・ファンタジー”として注目を集めている。
主人公の杏菜は、転校を繰り返しながらたどり着いた寄宿舎で、誰からも愛される完璧なルームメイト・莉花と出会う。しかし、莉花は突然屋上から飛び降り命を絶ってしまう。残された一冊の日記に綴られていたのは、笑顔の裏に潜む苦悩と痛み、そして幼なじみの栞との言葉にできなかった想いだった――。
やがて、杏菜と栞の心に莉花の魂が忍び込み、少女たちの“わたし”が揺れ始める。『ヴァージン・スーサイズ』(1999)を想起させながらも、“死の向こう側”までをも描く、唯一無二の映像体験が幕を開ける。
杏菜を演じるのは、CMやファッションモデルとして活躍する美絽。莉花の幼なじみ・栞を池端杏慈、謎めいた莉花を蒼戸虹子が務める。さらに、物語を支える大人たちに門脇麦、河井青葉、伊藤歩、吉原光夫といった実力派が名を連ねる。
【キャスト・監督コメント】
坂本悠花里監督 コメント
「撮影中、キャストとの日々が新しい発見の連続で、確かな充実感がありました。この映画を作りながら、自分自身を持て余していた時期のことを思い出していました。きっと、そういう気持ちを抱えることもあっていいのだと、この作品が教えてくれた気がします」
杏菜役:美絽 コメント
「杏菜を演じることで、自分自身の中のギャップにも改めて気づくことができました。誰もが共感できる少女たちの葛藤を、美しい自然や建築とともに感じてほしいです」
栞役:池端杏慈 コメント
「栞という役に出会えたことを心から嬉しく思っています。喪失を抱えた彼女の心に寄り添いながら演じました。劇中の衣装にもぜひ注目してください」
莉花役:蒼戸虹子 コメント
「初めての映画出演で、不安もありましたが、監督や共演者と過ごした時間が特別な記憶となりました。作品を通して、さまざまな感情を感じてもらえたら嬉しいです」
本作はndjc2022「長編映画の企画・脚本開発サポート」を経て企画が始動。香港国際映画祭併設のHAFにて「ウディネ フォーカスアジア賞」「HAF Goes to Cannes Award」を受賞し、完成前からカンヌ国際映画祭やウディネ・ファーイースト映画祭に招待されるなど、国内外から注目を集めてきた。
■映画情報
タイトル:白の花実(しろのかじつ)
公開日:2025年12月26日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:坂本悠花里
出演:美絽、池端杏慈、蒼戸虹子、河井青葉、岩瀬亮、山村崇子、伊藤歩、吉原光夫、門脇麦
配給・製作:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
英題:White Flowers and Fruits
尺:110分/日本/カラー/DCP/5.1ch/ビスタサイズ
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