スティーヴ・ジェームズ監督(『フープ・ドリームス』『スティーヴィー』)による最新作『原爆スパイ』の予告編が公開された。本作は第79回ヴェネツィア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門、第49回テルライド映画祭、第35回アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭など、世界の名だたる映画祭に正式出品された注目作だ。
予告編では、「マンハッタン計画」に18歳で参加した天才物理学者テッド・ホールの数奇な人生が浮き彫りにされる。彼は米国による原爆独占の危険性を憂い、国家機密をソ連に提供。冷戦構造の礎を築いた“スパイ”の姿が描かれる。
「動機は?」と問われ、「思いやりかな」と静かに語るテッド。一方で中性子爆弾の開発者サミュエル・T・コーエンは「彼は射殺されるべきだった」と断言。真実と正義、裏切りと信念──その境界線を問いかける映像には、長崎原爆投下の記録映像や当時の米大統領ハリー・S・トルーマンの演説も盛り込まれ、当時の社会情勢をリアルに伝えている。
本作は2025年8月1日(金)より広島八丁座にて先行公開、翌2日(土)より渋谷ユーロスペースにて全国順次公開予定。戦後80年の節目に、知られざる「原爆スパイ」の実像に迫る本作は、私たちに深い問いを投げかける。
▼予告編
■映画情報
タイトル:『原爆スパイ』
公開:2025年8月1日(金)より広島八丁座にて先行ロードショー、8月2日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開、全国順次上映
原題:A Compassionate Spy
監督:スティーヴ・ジェームズ
出演:テッド・ホール、ジョーン・ホール
2022年/イギリス・アメリカ/英語/カラー&モノクロ/101分/ドキュメンタリー
日本版字幕:若林信乃
字幕監修:新田宗土(慶應義塾大学/広島大学 SKCM2)
配給:パンドラ
提供:メニーウェル
© Participant Film