第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞において、女性監督として最年少受賞に輝いた山中瑶子監督、河合優実主演作『ナミビアの砂漠』が、9月6日より公開される。このほど、予告編が披露された。
世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか…?
監督は19歳という若さで『あみこ』を作り上げ、史上最年少でのベルリン国際映画祭出品を果たした若き天才・山中瑶子。主演はその『あみこ』を観て衝撃を受け、監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行ったという、河合優実。才能あふれる2人の夢のタッグが実現した本作は、今年のカンヌ国際映画祭でも絶賛され、国際映画批評家連盟賞を受賞した。
予告編では、河合優実演じる主人公カナの一挙手一投足に目が釘付けとなるシーンが盛りだくさん。楽しそうに街中を走ったり、寛一郎演じる同棲している彼氏ホンダの前で「甘いのとしょっぱいの嬉しい」と微笑む姿や、金子大地演じる新しい彼氏・ハヤシとのデートで幸せそうなカナの様子が切り取られ、身近にいそうな21歳の女の子として描かれる前半部分。打って変わって、「わたし働かなくていいかなぁ」と暗い表情でつぶやくシーンからは、襲い掛かるように誰かを足で踏みつけたり、土下座する男から走り去ったり、取っ組み合いのケンカをしていたりと感情剥き出しの言動が続く。カナが「わたしおかしいかなぁ」とつぶやく静かな声は、どこか不安定な雰囲気を纏っている。
場面写真には、カナが男の手を握っている場面が切り取られている。鼻から垂れた鼻血が目を惹く、強烈な一枚。心ここにあらずという感じのカナの表情が、異彩を放つ彼女のキャラクターを物語っている。
『ナミビアの砂漠』
2024年9月6日(金) TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
監督・脚本:山中瑶子
出演:河合優実 金子大地 寛一郎 新谷ゆづみ 中島歩 唐田えりか 渋谷采郁 澁谷麻美 倉田萌衣 伊島空 堀部圭亮 渡辺真起子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会