アイヌと和人との歴史を、寛一郎主演で描いた歴史スペクタクル映画『シサㇺ』が、9月13日より公開される。このほど、特報映像とティザービジュアルが披露された。
アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマである本作。“蝦夷地”と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易をおこなっていた史実が基になっている。本作は、町全体がイオル(アイヌの伝統的生活空間)という考えの下、アイヌと和人が共生してきたという認識をもつ北海道白糠町で多くの場面が撮影され、セット建設から撮影まで、町からの全面支援・協力のもと製作されている。
主人公・孝二郎(寛一郎)は兄、栄之助(三浦貴大)とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていた。ある夜、使用人の善助(和田正人)の不審な行動を見つけた栄之助は、善助に殺されてしまう。「一人前の武士ならあいつを追え!」という言葉を残し息絶える栄之助。兄の敵討ちを誓った考二郎は善助を追って蝦夷地へと向かうが、蝦夷地では和人への反発の動きが高まっていた。自分を迎え入れてくれたアイヌと、和人という立場の間で揺れる孝二郎の表情に続いて、暗い過去を背負うアイヌの女性・リキアンノ(サヘル・ローズ)、和人に反発心を抱くアイヌの青年・シカヌサシ(坂東龍太)、交易の鍵を握る重要な人物・平助(要潤)に加え、孝二郎の母・まさ(富田靖子)、孝二郎の幼馴染・みつ(古川琴音)の姿が、特報映像で次々と映し出される。孝二郎の先輩の松前藩士・大川(緒形直人)が率いる和人兵とアイヌの戦で血飛沫が飛び交う熾烈な戦いの様子や、アイヌの村のリーダー・アㇰノ(平野貴大)が熱い抱擁を交わす様子など、臨場感に溢れた壮大な歴史スペクタクルでありつつ、異なる⽂化や⾵習を持つ者同士が共生する中で共鳴していく姿を描いた人間ドラマであることを予感させる。
荒れた海をバックに佇む孝二郎を捉えたティザービジュアルも公開。「いつの日か共に生き、分かり合えることができるだろうか。」というコピーが、激動の歴史の渦に巻き込まれた武家の若者の揺れる心情を表現している。
『シサㇺ』
2024年9月13日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督:中尾浩之
脚本:尾崎将也
出演:寛一郎 三浦貴大 和田正人 坂東龍汰 平野貴大 サヘル・ローズ 藤本隆宏 古川琴音 山西惇 佐々木ゆか 要潤 富田靖子 緒形直人
配給:NAKACHIKA PICTURES
【ストーリー】 江戸時代前期。北海道の南西部にある松前藩はアイヌとの交易品を主な収入源としていた。松前藩藩士の息子、孝二郎(寛一郎)は兄、栄之助とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていたが、ある夜、使用人の善助の不審な行動を見つけた栄之助は善助に殺されてしまう。兄の敵討ちを誓った考二郎は善助を追って蝦夷地へと向かう。
©映画「シサム」製作委員会