今年のベネチア国際映画祭にてケイリー・スピーニーが最優秀女優賞を受賞したソフィア・コッポラ監督の最新作で、エルヴィス・プレスリーの元妻プリシラが1985年に出版した回想録「私のエルヴィス」を基に、彼女の人生とエルヴィスとの関係を描いた『プリシラ』が、4月12日より公開される。このほど、予告編とポスタービジュアルが披露された。
『ロスト・イン・トランスレーション』でアカデミー賞脚本賞、ゴールデン・グローブ賞脚本賞ほか、『SOMEWHERE』でベネチア国際映画祭金獅子賞、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞するなど数々の賞に輝く映画監督、そしてファッション・アイコンとして世界に注目されるソフィア・コッポラ。その最新作は、エルヴィス・プレスリーと恋に落ちた少女プリシラがたどる魅惑と波乱の日々を、プリシラの視点で繊細に美しく描く物語。音楽は、フランス出身のロックバンドPhoenixが担当し、美しく精巧な美術とともに60~70年代の空気を伝える。
予告編は、スペクトラムの“How You Satisfy Me”が流れる中、エルヴィスの大邸宅グレースランドのカーペット、赤いルージュの唇、そしてプリシラの象徴でもあるつけまつげをつけるシーンから始まり、初恋の回想へと。「エルヴィスは好き?」と声を掛けられたプリシラはパーティでエルヴィスと初めて出会う。「もっと君のことを教えて」と恋に落ちていく2人。そして「なぜ、うちの娘なのだ」と心配するプリシラの父親をよそに、プリシラはセレブの華やかな世界に身を投じ、2人は結婚する。しかし、本来のエルヴィスの姿をより深く知るにつれ、「本当の彼を皆は知らない」とプリシラは孤独を感じ、エルヴィスの浮気話に戸惑い、2人の溝は次第に深くなる。やがて彼の色に染まっていくことが幸せだったプリシラは、いつしか「自分の人生を歩みたい」という自分自身の気持ちに気づいていく。
「プリシラの物語を初めて読んだとき、普通と全然違う状況なのに、こんなにも共感できることに衝撃を受けました。私たちは彼女をエルヴィスの隣にいる印象的な人物として見ているけれど、それ以上のことは知らない。私はもっと語るべきストーリーがあるはずだと感じたのです」というソフィア・コッポラ監督の意思が垣間見られる予告編となっている。本作の音楽を手掛けたのは、ソフィア・コッポラ監督の夫トーマス・マーズのポップロックバンド、フェニックス。50年代、60年代、70年代の影響を自分たちのサウンドに落としこみ、新しいものを作りあげ、「映画では当時の音楽も最近の音楽も使っている」という。ソフィア・コッポラが描くプリシラの物語へ観客をさらに深く導いていく、こだわりの音楽にも注目だ。
ポスタービジュアルは、プリシラとエルヴィスの結婚式を再現したワンシーン。誓いのキスを交わす2人に、ブルーの英語ロゴが美しく映える。そして「恋と孤独で着飾っていた」というコピーが、14歳でスーパースターと恋に落ち、セレブの世界に足を踏み入れ、華やかな日々を送る中で感じたプリシラの気持ちを物語っている。
実際の結婚式(1967年5月1日)でプリシラが着用したウェディングドレスは、デパートで購入した既製品だったとアメリカではよく知られているが本作では、ソフィア・コッポラ監督がシャネルの人脈を活用。衣装担当のステイシー・バタットがシャネルとともにウェディングドレスを制作した。「形は本物のドレスと同じです。ヴィルジニー・ヴィアール(2019年からシャネルのクリエイティブディレクター)の現代的なレース細工の影響を受けています」とバタット。コッポラ監督は「ドレスのお披露目の日はとても興奮しました。すべてハンドメイドのレースで、最高にゴージャスです。これに身を包んだケイリーには目を奪われました」と振り返っている。一方、エルヴィス役ジェイコブのタキシードは、イタリアのファッションブランド、ヴァレンティノとコラボした1着。バタットは「目を見張るような出来栄えで、ふたつの老舗高級メゾンと仕事ができて、とても光栄です」と語り、本作の世界観に彩りを添えている。
『プリシラ』
2024年4月12日(金) TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
監督・脚本:ソフィア・コッポラ
出演:ケイリー・スピーニー ジェイコブ・エロルディ
配給:ギャガ
【ストーリー】 14歳のプリシラは、世界が憧れるスーパースター、エルヴィスと出会い、恋に落ちる。彼の特別な人になるという夢のような現実…。やがて彼女は両親の反対を押し切って、大邸宅で一緒に暮らし始める。魅惑的な別世界に足を踏み入れたプリシラにとって、彼の色に染まり、そばにいることが彼女のすべてだったが…。
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