大門剛明原作による“冤罪”ミステリー「完全無罪」を、『星の子』、『MOTHER マザー』の⼤森⽴嗣がメガホンを取り、主演を広瀬アリスが務めてドラマ化する「連続ドラマW 完全無罪」が、WOWOWにて7月に放送・配信されることが決定した。
本作は、21年前の少⼥誘拐殺人事件の冤罪再審裁判の担当に抜擢された広瀬演じる期待の弁護士・松岡千紗が、⾃らもその事件で監禁された被害者の1人であるという境遇を抱えながらも、⾃⾝を殺めたかもしれない容疑者と対峙。再審裁判を中心に真相究明への切実な探求心を持つ彼⼥にしかできない弁護を展開し、事件の真相に迫る本格ヒューマンミステリー。
本作の主人公、松岡千紗を演じるのは、月9ドラマ『366日』の主演も決定し、俳優として第一線で活躍を続ける広瀬アリス。そんな彼⼥が⼤森⽴嗣監督とタッグを組みWOWOWドラマ初登場にして、俳優としても新境地となる本格ミステリー作品に初挑戦する。⾃⾝を誘拐した真犯人を⾒つけ出す為、被害者でありながら依頼人の無実を信じて弁護をすることに悩み苦しみながら⾃らの過去と闘い、真実に辿り着き、悪夢を克服していく。千紗が抱える葛藤の深さを全⾝全霊で表現し、普段のイメージとはまた違った演技を見せる。
原作は「雪冤」で横溝正史ミステリ⼤賞・テレビ東京賞をW受賞し作家デビュー、「テミスの求刑」や「両刃の斧」など重厚なテーマに巧みな犯罪トリックを盛り込んだ社会派ミステリー作品を数多く手掛ける人気作家・大門剛明の同名小説。脚本・監督には『星の子』、『MOTHER マザー』を手掛け、本年5月には『湖の⼥たち』の公開も控える日本映画界の俊英・大森⽴嗣。監督⾃ら全5話の脚本を手掛け、人が持つ強い気持ちや業に⾁迫、広瀬の芝居の可能性を無限に引き出す演出も必⾒だ。⾳楽は、King Gnu、Vaundy、米津玄師等数多くのアーティスト作品にレコーディング・プロデュースする江﨑文武が担当する。
実際に物語の舞台となる⾹川県での撮影を実施、フィクションながら現実でも起こっている再審請求、冤罪事件の裏側にある人間模様をリアルに映し出す。最後にたどり着く結末に誰もが心揺さぶられるはずだ。
▼キャスト&スタッフ コメント
■広瀬アリス(松岡千紗役)
このお話を頂いた時、今までにやったことのない役柄、作品だったので、29歳の⾃分がこの作品をやれることをずっと楽しみにしていました。監督は一連で撮っていかれるので、セリフ量は勿論、専門⽤語もたくさんある中、緊張感と沢⼭の刺激を頂き、日々学びながら、とても充実しています。私が演じる松岡千紗は強さと弱さ両⽅を持っていて、心の奥底にある人間らしさが魅⼒だと思っています。今までにない広瀬アリスをお届けできるかと思いますので、楽しみにしていて頂ければと思います。
■大森⽴嗣(監督・脚本)
この作品は分断を描いています。ある誘拐殺人事件の犯人は冤罪であるのか。絶対にやっていないという犯人とその弁護士、絶対にやっているという元刑事、そう願う被害者の両親。その断絶する二つの思いが相対します。そしてその先に何が⾒えるのか――、可能なら微かに⾒える光を感じたい。主演の広瀬アリスさんは⾃らが被害者である事件の犯人を冤罪であると信じる難しい役に挑んでいます。心を揺らし、傷つきながら前を向きます。私は彼⼥の演じる役に温かい⾎を流し込みたいと思っています。この作品が今、世界とこの国で起きている、戦争、移⺠、ジェンダー、世代間、あるいは不寛容さなどのあらゆる分断に一筋の光を。そう願って今撮影に臨んでいます。完成を楽しみにしていてください。
■大門剛明(原作)
『完全無罪』ドラマ化ありがとうございます。一報を聞いて書いた当時の記憶が蘇りました。うどんを食べたり、⾞で⾛って時間を測ったり、⾹川弁に苦労したり……あれからもう六年経つのかと。先日、撮影現場にお邪魔させていただきました。私が頭で考え活字で表現したものが多くの人によって現実に動き出すというのは、やはり感慨深いものがありますね。主人公・千紗は難しい役だと思いますが、広瀬アリスさんならうまく演じてくださると期待しています。WOWOWさんにはこれまでにも何度か映像作品を作っていただきました。今回もきっと面白い作品になると、一視聴者として楽しみにしております。
「連続ドラマW 完全無罪」
2024年7月、WOWOWプライムにて放送、WOWOWオンデマンドにて配信
監督・脚本:大森立嗣
原作:大門剛明「完全無罪」
音楽:江﨑文武
出演:広瀬アリス
【ストーリー】 最⼤手法律事務所に所属する期待の弁護士・松岡千紗(広瀬アリス)は、同事務所のシニアパートナー・真⼭健一から、21年前に⾹川県で起こった少⼥誘拐殺人「綾川事件」の冤罪再審裁判の担当に抜擢される。「綾川事件」と同時期に、⽴件されていない少⼥誘拐事件が他にも1件あり、千紗は被害者の1人だった。千紗は10年ぶりに故郷の⾹川の地を踏み、地元の法律事務所の同僚・熊弘樹の⼒を借りながら、当時の事件について調べ直してゆく。3つの事件は同一犯の可能性が高いとされ、⾃分を殺めようとしたかもしれない容疑者・平⼭聡史と向き合う千紗。無実を主張する平⼭を⾃分は信じられるのか。弁護士としての職業倫理と、⾃らの過去との狭間で千紗は葛藤する。「綾川事件」の担当であった元県警刑事であり、今は被害者サポートセンターで働く有森義男もまた、被害者遺族の池村敏恵に寄り添う時間の中、平⼭が真犯人だと信じて⽌まず、冤罪を主張する平⼭に更なる疑念を抱く。そして、元相棒刑事の今井琢也と共に、千紗と再審請求審で対峙することになる。冤罪裁判の⾏⽅、21年前の事件の真相とは。それぞれの強い想いと正義が交錯し、やがて1人の人間の衝動を突き動かす。その想いは、誰を救うのか。最後にたどり着く結末に、心揺さぶられるヒューマンミステリー。