「ママは死んだけど、この筐の中に生き返りました」新鋭・今野恭成監督によるSFダークファンタジー『あみはおばけ』12月公開!

黒沢清監督・諏訪敦彦監督に師事し、『劇場版ほんとうにあった怖い話2016』、日中合作映画『心魔師』などで、現実世界の延長にある世にも奇妙な世界を表現してきた、新鋭・今野恭成監督のオリジナルSFダークファンタジー映画『あみはおばけ』が、12月15日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルが披露された。

本作は、一人の女の顔を映す「筐」を通して交わされる、母・三香子と娘・阿美の奇妙な世界を舞台に、母を愛する娘の盲目さと、娘との日々を夢想する母のエゴが絡みあい、静かに日常が蝕まれていく物語。

三香子を演じるのは、これまで今野作品2本に出演し、今回16年ぶりの長編映画主演となる小橋めぐみ。そして、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」、NETFLIX「新聞記者」など話題作に引っ張りだこの人気子役、浅田芭路が娘・阿美を演じている。さらに、しずるの村上純、NHK Eテレ「しあわせ気分のイタリア語」レギュラーほか、女優としても活躍する渡辺早織が脇を固めている。

■今野恭成(監督) コメント
仮想現実の技術がすすんだ近い未来、さまざまな理由で子どもを欲している男女が、その空間内で子育てをはじめることは想像に容易いでしょう。あくまでも仮想でしかない現実は、夢や妄想、記憶など眉唾な類の代物であり、肉親であるはずの子どもとのあいだには、煩わしい障害がつきまとうはずです。その障害を考えることが今回のテーマでした。一方で、その障害さえ乗り越えれば、決して手が届かない類のものに触れることができるのではないかという希望も抱きつつ、撮影に取り組みました。その結論が、そのまま最後のカットになっています。

『あみはおばけ』
2023年12月15日(金)より池袋シネマ・ロサほか 全国順次ロードショー
監督・原作・脚本・編集:今野恭成
出演:小橋めぐみ 浅田芭路 村上純(しずる) 照井野々花 加藤櫻華 五明拓弥(グランジ) 渡辺早織
配給:パル企画

【ストーリー】 父と娘、ありふれた朝食の食卓に置かれた筐型の機器。正面の液晶には、一人の女の顔が映っている。一年前にこの世を去った三香子(小橋めぐみ)は、筐の中から娘の阿美(浅田芭路)と、夫(村上純)に語りかける。あたかも、そこに存在するかのように。阿美は毎日、母の映る筐を両手に抱えて通学している。学校からは認められているものの、クラスメイトたちには不評なようだ。ある生徒からは「死体、臭い」と筺を揶揄われ、阿美は打ちひしがれる。生きていた時のように、阿美の成長をそばで見守る三香子。阿美の作文には、「将来の夢は科学者になって、ママに体を作ること。体があれば、私のことをぎゅーっと抱きしめることができるから」と書かれている。不意に始まった、夫の新しい恋人との同棲。そして、現実への嫉妬から引き起こされる、娘の突然の変容…。筺を抱きしめて阿美は囁く。「阿美もお化けだ。ママのこと愛しているから」

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