長澤まさみ「嫌な思いで、悶々と過ごしました」映画公開初日に感じた本音を告白

『日日是好日』の大森立嗣監督が、長澤まさみ主演、阿部サダヲ、奥平大兼共演で贈る『MOTHER マザー』が7月3日に公開された。このほど、7月4日に神楽座にてマスコミ向けの公開記念舞台挨拶が行われ、長澤まさみ、阿部サダヲ、奥平大兼、郡司翔、浅田芭路、大森立嗣監督が登壇した。

この日は、7月3日にオープンしたTOHOシネマズ 池袋の観客と、神楽座にいるキャスト&監督をつないでのリモート舞台挨拶。その場しのぎで生きる秋子役を熱演した長澤は、演じた役について「共感しようと思っても、最後まで共感できませんでした」と述べ、公開初日を迎えた昨日も「嫌な思いで、悶々と過ごしました。この映画が旅立っていく嬉しさと、開放される嬉しさもあったり。でも、本当にそれを手放して良いのかと考えてしまったり。こんなに役と作品に後ろ髪を引かれる感覚は初めての経験」とし、「それだけ、この作品と役に向き合えたのかなと思うと、無駄な時間ではなかった」と神妙な面持ちで語った。

そんな長澤を近くで見ていた阿部は、長澤について「こういう役をやる印象がなかったし、お母さんというイメージもなかったので、びっくりしました」とコメント。続けて「すごく…、なんだろう、難しいけど…」と口ごもると、長澤から「大丈夫ですよ。本当に思ってることを言ってください」ツッコまれ、「本当に思ってます(笑)。本当に思っているときほど口ごもるもんですよ」と笑顔で返していた。

秋子の息子、周平役を演じた奥平は、本作が映画初出演にして、初の演技。そんな奥平は長澤について、学校でも話題になっていた映画『キングダム』で知っていたそうで、「その中で息子役。実感がなかったですね」と撮影当時を振り返った。

イベントの中盤には共演した子役の郡司&浅田からカーネーションが贈呈される場面も。花束を受け取った長澤は、「この作品を通して、親子の向き合い方を考えるきっかけになれば」と締めくくった。

イベント様子は全国5大都市、15劇場でライブ中継され、スクリーンに投影されたTOHOシネマズ 池袋の観客と共にフォトセッションも行われていた。

『MOTHER マザー』
7月3日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本:大森立嗣
脚本:港岳彦
出演:長澤まさみ 阿部サダヲ 奥平大兼 夏帆 皆川猿時 仲野太賀 木野花
配給:スターサンズ KADOKAWA

【ストーリー】 男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきた秋子(長澤まさみ)。シングルマザーの彼女は、息子の周平(奥平大兼)に奇妙な執着を見せ、忠実であることを強いる。そんな母からの歪んだ愛の形しか知らず、翻弄されながらも応えようとする周平。彼の小さな世界には、こんな母親しか頼るものはなかった。やがて身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく中で、母と息子の間に生まれた“絆”。それは17歳に成長した周平を一つの殺害事件へ向かわせる…。何が周平を追い込んだのか?彼が罪を犯してまで守ろうとしたものとは?

©2020「MOTHER」製作委員会