主演に橋本愛、出演に仲野太賀、木竜麻生を迎え、山本英監督が恋人を殺して愛を貫こうとした女の一途で狂気的な激情を描く『熱のあとに』が、2024年2月に公開されることが決定した。併せて、第28回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門にてワールドプレミア上映されることも発表された。
本作は、過去に愛した恋人を刺し殺そうとした沙苗が、数年の服役後、別の男との結婚を経て、もがきながらも愛し方を模索していく物語。主人公・沙苗のキャラクターは、2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件にインスパイアを受けている。
沙苗を演じるのは『桐島、部活やめるってよ』などで第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」、『ホリックxxxHOLiC』などに出演、『ザ・フラッシュ』では声優を務めるなどジャンルを超えて幅広い活躍を見せている橋本愛。罪を背負いながらも、自分の愛し方を貫き通そうとする女性を鮮烈に演じきる。沙苗の過去を知りながらも結婚に踏み切る夫・健太を演じるのは、『ゆとりですがなにか インターナショナル』、『笑いのカイブツ』などの公開作が続々と控えており、その確かな演技力で映画やドラマに引っ張りだこの仲野太賀。沙苗の言動に翻弄されながらも、彼女の愛を理解しようと奮闘する男を体現する。沙苗たちに親し気に接してくる謎めいた女性・足立を演じるのは、主演作『わたし達はおとな』で北京国際映画祭フォーワードフューチャー部門最優秀女優賞を受賞し、『Winny』、『福田村事件』など話題作からのオファーが止まらない木竜麻生。結婚生活が始まったばかりの沙苗の前に突然現れた足立。彼女の秘密が明かされるとき、運命の歯車が狂いだす。
監督は、東京藝術大学大学院で諏訪敦彦、黒沢清らに師事し、修了制作『小さな声で囁いて』がマルセイユ国際映画祭、全州国際映画祭などに出品された新進気鋭の若手監督・山本英。山本が脚本のイ・ナウォンと長年あたためていた本作の企画は第21回東京フィルメックスにてNew Director Awardを受賞。4年の歳月を経て、この度完成にこぎつけた。
本作は今年10月4日~13日に韓国・釜山で開催される第28回釜山国際映画祭のニューカレンツ部門に出品、ワールドプレミア上映されることが決定した。釜山国際映画祭はアジア最大級の映画祭で、韓国のみならずアジアの映画産業の発展にも貢献している。今回正式出品となったニューカレンツ部門はアジアの新進気鋭の映画監督の1~2作目が対象となる部門。近年は『はちどり』、『由宇子の天秤』、『さがす』などが出品され、いずれも国内外で高い評価を受けている。
▼キャスト&監督 コメント
■橋本愛(沙苗役)
監督からいただいたお手紙と、ナウォンさんの脚本を初めて読んだとき、この映画を私に委ねようと思ってくださったことに、喜びで胸がいっぱいになりました。この映画に出会えたこと、スタッフキャストのみんなに出会えたこと、かけがえのない日々を過ごせたことは、生涯の宝物です。釜山国際映画祭、おめでとうございます。観客の皆さんがどのように受け取ってくださるのか、すごく楽しみです。
■仲野太賀(健太役)
「熱のあとに」が釜山国際映画祭でお披露目できる事、非常に嬉しく思います。オファーを頂いた時、あまりにも強烈な脚本に驚きました。この作品がどんなカタチで映画になるのか、ページを捲るたびに興奮したのを覚えています。振り返ってみたら2週間ほどの短い撮影期間でしたが、山本英監督をはじめとする映画を愛するスタッフ、そして主演の橋本さん、木竜さんとの映画作りはあまりにも豊かで、僕にとってかけがえのない作品になりました。
■木竜麻生(足立役)
映画「熱のあとに」釜山国際映画祭出品おめでとうございます。山本英監督の初長編監督作品を、監督をはじめ今回のキャスト、スタッフの皆さんと多くの時間を共有しながら撮影に臨みました。濃密で、心地いい温度と緊張感のある、そして学びのある時間でした。映画が皆さんに届くこと、とても嬉しく思います。
■山本英(監督)
愛すること、生きること。この二つが一直線に繋がって密接に関わり合う。そんな燃え盛る激情のような愛を映画にしたい、その一心で長い時間をかけて紡いできた作品です。社会や他者など関係なく、それら全てを敵に回したとしても自分の信じる愛を守り通そうとする沙苗の姿に、私は見果てぬ夢を託したのかもしれません。自分にとって『熱のあとに』は撮らなくては前に進めなかった映画です。共に歩んでくださったキャスト、スタッフの皆様に心より感謝致します。
『熱のあとに』
2024年2月、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国ロードショー
監督:山本英
脚本:イ・ナウォン
出演:橋本愛 仲野太賀 木竜麻生
配給:ビターズ・エンド
©2024 Nekojarashi/BittersEnd/Hitsukisya