「つらい日々をすごしているあなたに」失った“夏”を超え自分自身の人生を取り戻していく『ロストサマー』10月公開

1988年生まれの俳優たちが集まり立ち上げた映像製作チーム「889FILM」による初長編作品・映画『ロストサマー』が10月13日より公開されることが決定した。併せて、特報映像とメインビジュアル、場面写真がお披露目となり、キャスト&スタッフよりコメントが寄せられた。

映画『ロストサマー』は889FILMオリジナルの作品で、高知県を舞台に孤独に押しつぶされそうだった男女3人が偶然出会い、関わりあうことで自らの喪失感を手放せるようになるまでの物語。

本作の監督・脚本を務めるのは俳優としても活動している889FILMの麻美(あみ)。脚本は、麻美が高校生の頃から書き始めたもので、約15年の歳月をかけて少しずつ少しずつ改稿を重ねてきた。

日々いろいろな場所を転々としながらなんとなく生きている青年・フユを演じるのは、『草の響き』や『少年と戦車』などに出演している注目の若手俳優・林裕太。そんなフユと偶然出会う、長年連れ添った妻を亡くしひとり生きる老人・秋を演じるのはNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』などに出演している文学座の実力派俳優・小林勝也。忙しすぎる夫とすれ違い続けている春(はる)は、889FILMメンバーで撮影場所である高知県出身の俳優・中澤梓佐が演じます。その他、廣田朋菜、土屋壮、橋野純平、松浦祐也ほか、889FILMの関口アナン、椿弓里奈らも出演。

映画『ロストサマー』はメインで撮影をおこなった高知県にて先行公開が決定。映画監督の安藤桃子が代表を務めるキネマミュージアムにて公開予定だ。

▼キャスト&スタッフ コメント

■林裕太(フユ役)
フユの孤独と不安に向き合いながら、彼が生きていくための喜びを一緒に探していきました。小林勝也さんが演じる秋との交流は幸せそのものでした。桂浜での撮影で、秋の肩に頭を乗せると、意外とがっしりとしていて、仄かに香る懐かしい匂いに、心が安らいだのを覚えています。この作品に関わっていく中で、疲れたり、不安になったりしたら、誰かに寄り掛かってもいいんだと思えるようになりました。『ロストサマー』は誰かに寄り添える映画です。1人でも多くの人に届いてほしいです。

■小林勝也(秋役)
“自分らしく生きる”というのはなかなかむつかしいものです。私の実年令に近い(私の方が上)“アキ”も失ったものをかかえた孤独な老人ですが、他者へのやさしさと、自分の気持に正直に生きることによって、少し光が見えてくるのではないでしょうか。年を重ねると、失うものもあれば、新たな発見もあるということを知らされた作品でした。みなさまも、そんな風に観て、「ロストサマー」を楽しんでほしいと願っています。

■麻美(監督)
昨年11月に、高知の街を生きていた私たち撮影隊と、秋・フユ・そして春。『ロストサマー』には、そんなわれわれの息づかいが、ちゃんと映っていると思います。世界中、どこの街にもいるはずの孤独な3人が、精一杯生き抜く“瞬間”をぜひ見届けてください。過去や未来におびえて、つらい日々をすごしているあなたに観ていただきたくて、つくった映画です。「ふつう」とか、「常識」とか、そんな「くくり」に入れなくて、寂しい思いをしているあなたに届いてほしい。秋とフユと春。3人が、名前のない関係の、新しい名前となれますように。

『ロストサマー』
2023年10月13日(金)より、新宿武蔵野館ほかにて公開
監督・脚本:麻美
出演:林裕太 小林勝也 中澤梓佐 廣田朋菜 関口アナン 椿弓里奈 土屋壮 豊満亮 細川佳央 奥津裕也 水嶋ミナ 萩原正道 吉牟田眞奈 橋野純平 松浦祐也
企画・製作・プロデュース・配給:889FILM

【ストーリー】 女性たちのもとを転々としながら、その日暮らしをする青年・フユ。長年連れ添った妻に先立たれひとり生きる老人・秋。そして、忙しすぎる夫との生活に虚しさを抱えながら過ごす女・春。地方で暮らす、季節の名前をもつ孤独な3人の男女が偶然に出会い、不器用に関わり合っていく中で自らの喪失感と向き合っていく。

© 映画「ロストサマー」