第75回カンヌ国際映画祭スペシャル部門に正式出品され話題となり、2022年アヌシー国際アニメーション映画祭クリスタル賞(最高賞)を受賞した、フランスで50年以上愛される児童書「プチ・ニコラ」の初めてのアニメ映画『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』が、6月9日より公開される。このほど日本版予告編がお披露目となった。
フランスで50年以上愛され続け、世界30カ国で翻訳されているロング・セラー「プチ・ニコラ」。その魅力の源は、親友同士の原作者、ジャン=ジャック・サンペとルネ・ゴシニの運命に屈することのない人生にあった。本作を初めてアニメーション作品として映画化するにあたり、原作のイラストレーターであるジャン=ジャック・サンペがグラフィック・クリエーターとして参加。原作者二人の人生に「プチ・ニコラ」の物語を交えて描く、子供時代へのノスタルジーと創作の喜びに満ちた物語は、昨年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、「繊細で優しさにあふれた傑作」(Le Monde)、「心があたたまり、喜びに溢れる1本」(Screen Daily)と高く評価された。その後、2022年アヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞となるクリスタル賞をはじめ、プチョン国際アニメーション映画祭、ケンブリッジ映画祭で観客賞を受賞するなど、世界中がその愉快で温かい物語と美しい映像に魅了されている。
日本版予告編は、冒頭から本作の世界観が満載。1955年、パリの小さなカフェ、イラストレーターのジャン=ジャック・サンペは、友人のルネ・ゴシニに「君には文才がある、一緒に組まないか」と相談する。そして「君が物語を作って僕が絵を描くのさ」と意気投合した2人が作ったやんちゃな男の子ニコラを主人公に物語を紡ぎ始める。学校での写真撮影に大騒ぎするニコラと友達のエピソードは、「普通すぎ?」と心配するサンペに、「イメージ通り、完璧だよ」とゴシニが応え、学校のちょっと色っぽい先生のイメージは「服はワンピース、髪はシニョン、生徒のマドンナだ」「マリリン・モンローっぽすぎる」とワインを片手に話し合う。小さなアトリエでの親友2人の共同制作は楽しさに満ち溢れていた。しかしサンペとゴシニ2人にはそれぞれ辛い過去があり、サンペは、幼いころ親子関係が悪く、暗い子供時代を過ごしていた。ゴシニには第二次世界大戦当時、ナチス・ドイツのフランスへの侵攻により母の兄妹が強制収容所に送られたという過去があった。“悲しみ”を知っているから、“幸せ”な物語が紡げたサンペとゴシニ。そして二コラを通して楽しい子供時代を追体験している二人に、二コラは「新しい物語を書けば元気が出る」と語りかけ、「二人で生み出した“ニコラ”を通して、僕らは生き続ける」と応える。色彩豊かなパリの美しい映像と、映画『アーティスト』のルドヴィック・ブールスが奏でる楽しい音楽も相まって、フランスで長年愛される「プチ・ニコラ」の誕生秘話に心あたたまる予告編となっている。
また、特典付きの特別鑑賞券1,500円(税込) が、3月24日より販売開始。劇場窓口でスペシャル・クリアファイル(A5サイズ)がプレゼントされる(先着順、数量限定)。
▼「表面」 二コラの学校の風景
▼ 「裏面」パリのエッフェル塔と上空を飛ぶ赤い飛行機
『プチ・ニコラ パリがくれた幸せ』
2023年6月9日(金)新宿武蔵野館、ユーロスペース他全国順次公開
原作:ルネ・ゴシニ ジャン=ジャック・サンペ「プチ・ニコラ」(世界文化社刊)
監督:アマンディーヌ・フルドン バンジャマン・マスブル
出演:アラン・シャバ ローラン・ラフィット シモン・ファリ
配給:オープンセサミ フルモテルモ
【ストーリー】 パリの街並みを望む小さなアトリエ。イラストレーターのサンペと作家のゴシニは、いたずら好きの男の子のキャラクター、ニコラに命を吹き込んでいた。大好きなママのおやつ、校庭での仲間達との喧嘩、先生お手上げの臨海学校の大騒ぎ…。ニコラを描きながら、望んでも得られなかった幸せな子供時代を追体験していくサンペ。また、ある悲劇を胸に秘めるゴシニは、物語に最高の楽しさを与えていった。児童書「プチ・ニコラ」の心躍らせる世界を創造しながら、激動の人生を思う二人。ニコラの存在は、そんな彼らの友情を永遠のものにしていく…。
© 2022 Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2