豪雨災害による傷跡が残る球磨川を前に語られる、それぞれの「あのとき」『あの子の夢を水に流して』5月公開

映画監督、アートプロジェクト・国際芸術祭ディレクターなど、多彩な才能を発揮する遠山昇司監督6年ぶりの⻑編映画『あの子の夢を水に流して』が、5月20日より公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となり、遠山監督と主演の内田慈よりコメントが寄せられた。

生後間もない息子を亡くした瑞波は、失意のなか、10年ぶりに故 郷である熊本・八代に帰省する。瑞波は幼なじみの恵介と良太に久しぶりに再会し、3人で豪雨災害による傷跡が残る球磨川を巡り始める。川を前にして語られる、それぞれが「あのとき」見たもの。3人はそこで、不思議な現象を目の当たりにする。

令和2年7月豪雨を受けて制作された本作の監督・脚本を務めたのは、映画監督、アートプロジェクト・国際芸術祭ディレクターなど、多彩な才能を発揮する遠山昇司。『マジックユートピア』以来、6年ぶりの⻑編第3作となる。

主人公・瑞波を演じるのは、『決戦は日曜日』(22)、ドラマ「silent」(22年/CX)などの注目作に出演が続く内田慈。舞台、映画、ドラマをはじめ、声優、ナレーターなど幅広い分野で活動している彼女が、球磨川を見つめ「生命」と向き合う。共演には、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』での記者役などで注目の俳優・玉置玲央が助演、そして熊本出身のベテラン俳優・中原丈雄、劇団「快快-FAIFAI-」の俳優・山崎皓司など多彩な顔が揃う。

■遠山昇司(脚本・監督)コメント
熊本県を中心に発生した令和2年7月豪雨を受けて企画した本作は、球磨川という川の流れと我が子を失った女性の姿を描いた物語です。主人公の瑞波役を演じた内田慈さんの静かで切実な演技、恵介役・玉置玲央さんの川とともに生きる者としての佇まい、良太役・山崎皓司さんの誠実で真っ直ぐな言葉、そして3人を温かく見守り続ける出水役・中原丈雄さんの眼差しが川の流れと重なることでこの映画は生まれました。川に流れているもの、流されたもの、そして人が川に流すもの。川という時間を映画という時間で体験して頂けたら幸いです。

■内田慈(瑞波役)コメント
川の流れのような映画です。生きる中での愛おしい営みも、苦しいこと悲しいことも、表面にあるもの底の方にあるもの、全てを内包して、”時間”という一定の方向に流れていく。人間を含めた、自然界に存在する全てのものが同列に扱われた作品。2020年の豪雨災害の傷跡が残る熊本県八代市でオールロケ。当時氾濫し大きな被害をもたらした球磨川は、眼前で美しく輝いていました。自然と、共演者の玉置さん・山崎さん・加藤さん・中原さんらと、遠山監督はじめ全てのスタッフの皆さんと、みんなで生と死に向き合いました。是非ご覧ください。

『あの子の夢を水に流して』
2023年5月20日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
脚本・監督:遠山昇司
撮影監督:森賢一
短歌:池田翼
主題歌:玉井夕海
出演:内田慈 玉置玲央 山崎皓司 加藤笑平 中原丈雄
配給:bench

©「あの子の夢を水に流して」製作委員会