2度のパルムドール大賞受賞をはじめ、世界中で90賞以上もの映画賞を受賞しているベルギーの名匠、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督の最新作『トリとロキタ』が2023年3月31日より公開される。このほど、本予告編がお披露目となった。
少年トリと少女ロキタはアフリカからベルギーへ流れ着いたふたりの偽姉弟。ドラッグの運び屋をしているが、ビザを得るため、さらに危険な仕事に手を染める。新天地を目指す途中で出会ったふたりを追い詰めるのは麻薬か、闇組織か、それとも……。
本予告編では、ロキタがトリの学校の終わりを待ち「会いたくなった」とじゃれ合う様子やふたりで仲睦まじく歌うシーンから始まる。しかし、そんな明るい様子から事態は一転、トリは「どうして(ロキタの)ビザがおりないの?」と面接官に尋ねるが「力になれない」と突き放されてしまう。ふたりはアフリカからやってきて、ベルギーを目指す道中で出会った偽の姉弟。祖国にいる家族への仕送りのため、ビザを取得し正規雇用に就くことを望むロキタ。現在はトリと共に麻薬の運び屋をすることで生計を立てており、警察に目をつけられるなど常に危険と隣り合わせの暮らしをしている。「ビザさえあれば働けるのに、どうしておりないの」とロキタが嘆くと「僕らが邪魔だから」とトリがいうシーンには思わず胸を締め付けられる…。ある日、密航を斡旋した仲介業者に稼いだ金をロキタは奪われる。一刻も早くビザを手に入れようと、ロキタは運び屋よりもさらに危険な仕事に手を出してしまう。目隠しされて連れてこられたのは暗くて怪しい倉庫のような場所。果たしてロキタは何をすることになるのか。そして精神的に不安定なロキタを支えるため傍にずっといたトリは、命の危険を顧みずにロキタの元へと向かう。「ぼくが守る」とロキタの手を握るトリ…。再会したふたりに生き抜く道はあるのだろうか。たった100秒の間でさえも、ふたりのゆるぎない友情とそれを断ち切ろうとする冷たい世界が観ている者の心を震わせる。シンプルでいてこれまでにないダルデンヌ兄弟の強靭な傑作の断片を見る予告となっている。
また、前作『その手に触れるまで』(19)では、2020年に来日予定だったものの、新型コロナウイルス感染拡大により来日は中止となり、ベルギーから愛のあるメッセージを私たちに届けてくれたダルデンヌ兄弟が6年ぶりに来日する。2月28日には都内で行うジャパンプレミアに監督の登壇も決定。監督にQ&Aで質問できるとても貴重なイベントとなる。オンライン予約サイトはこちら。
さらに、2017年に行った「#おしえてダルデンヌ」の企画も再び開催。 「好きなお菓子は何ですか」や「アニメーション作品は観ますか?」といった簡単な内容から「どうしたらあんなにリアルな演技を引き出せられるのですか?」といった映画に関する質問まで、たくさんの質問をいただいた好評企画。本日より公式Twitter、Facebookから簡単に参加できるので参加してみては?(@Dardenne_cinema)
『トリとロキタ』
2023年3月31日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:パブロ・シルズ ジョエリー・ムブンドゥ アウバン・ウカイ ティヒメン・フーファールツ シャルロット・デ・ブライネ ナデージュ・エドラオゴ マルク・ジンガ
配給:ビターズ・エンド
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