「子どもが生まれても、僕は父親になれなかった」郷田マモラ原作コミックを映画化『この小さな手』4月公開

「きらきらひかる」「モリのアサガオ」の作者、郷田マモラ原作の同名コミックを、中田博之監督が武田航平主演で映画化する『この小さな手』が、4月8日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となり、中田監督と主演の武田よりコメントが寄せられた。

本作は娘に関心のなかった父親と、父親を忘れてしまった娘を描いた物語。

主演の父親・和真を演じるのは、ドラマ「オールドファッションカップケーキ」(2022)をはじめ、映画、舞台など話題作への出演が続く武田航平。娘・ひなを演じるのは、CX「イチケイのカラス」 (2021)や、映画『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』(2021)などでの演技が注目を集める佐藤恋和。また、和真の妻・小百合を安藤聖が演じるほか、寺脇康文、松下由樹、津田寛治ら豪華共演陣が、親子を支えていく人々を演じる。

監督は、『恋は光』(2022)などの映画作品で助監督を務め、NHK夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(2022)の演出などを手掛け、本作が長編デビュー作となる中田博之。

ポスタービジュアルは、「子供が生まれても、僕は父親になれなかった――」というチャッチコピーと共に、幼い娘を見つめる寂しげな父親の姿が印象的なものに仕上がっている。

■中田博之(監督)コメント
「本当の父親とは…」そんな疑問が湧いてきたのは、生まれたばかりの息子の寝顔を見ている時でした。経済的に支えるのが本当の父親なのか?別の意味での父親となりうる条件があるのか?こんな問いが頭の中を巡っている頃に、「この小さな手」の原作と出会いました。そして「本当の父親とは何か?」という問いの答えを探したいと思い、実写化を企画した次第です。皆様、ぜひこの映画に触れて、毎日めまぐるしく過ぎていく中で、家族を想う時間を少しでも持って頂けたら幸いです。

■武田航平(吉村和真役)コメント
この作品は『立派な父親の物語』ではありません。失敗や挫折を繰り返す普通の男が、必死に娘と向き合おうとする物語です。父親はなんでも出来るスーパーヒーローのような存在だと思っていました。しかし、自分自身が結婚し、家族を守っていかなければと思いながらも、さまざまな葛藤や焦りに悩まされることがあります。自分の両親や友人たちも、こうして毎日踏ん張ってもがいて、家族のために生きているんだということがわかりました。僕が演じた“和真”は、父親になり切れないダメな自分に負けそうになりながら、それでも逃げ出さずに家族のために生き抜こうとします。作品をご覧いただいた後、ぜひ、大切な人の手を取ってみてください。きっと本当の幸せとは何なのか、気づくことが出来ると思います。

『この小さな手』
2023年4月8日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
原作:郷田マモラ/吉田浩「この小さな手」
監督:中田博之
脚本:守口悠介
主題歌:青木カレン
出演:武田航平  佐藤恋和 安藤聖 辻千恵 三戸なつめ 伊礼姫奈 三田村賢二 浅茅陽子 柚希礼音 津田寛治 松下由樹 寺脇康文
配給:フルモテルモ

【ストーリー】 イラストレーターの和真は、妻の小百合と3歳の娘・ひなと暮らしていた。ある夜、和真が接待で飲んでいると、買い物に出た小百合が、事故に遭って入院してしまう。ひとりぼっちのひなは、翌朝、1人で目を覚ます。和真は、朝まで居酒屋で寝込んでしまっていたのだった。ひなは、警察によって、児童養護施設に引き取られることに。一切子育てに関わってこなかった和真は、ひなを自宅に連れて帰ることを許されなかった。小百合の意識は戻らないまま、何もできずに時間だけが過ぎていく。自暴自棄になっていた和真だったが、次第に自分を見守ってくれている人達の存在に気づき、娘との失ってしまった絆を取り戻す決意をする。しかし、ひなは、和真が面会に来ても泣いてばかり。ひなは、父親の事を忘れてしまったのだろうか…。

©映画「この小さな手」製作委員会