作家・水上勉によるエッセイ「土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―」を原案に、主演沢田研二、『ナビィの恋』『盆唄』の中江裕司が監督・脚本を手掛けて映画化する『土を喰らう十二ヵ月』が11月11日に公開初日を迎えた。同日、新宿ピカデリーにて行われた初日舞台挨拶にキャストの松たか子、料理研究家の土井善晴、監督の中江裕司が登壇した。

本作の出演について聞かれた松は、「中江監督に声をかけていただいたこと、沢田研二さんとご一緒できる機会なので、わあっと！思ったら、土井さんのお料理もついてきて。季節が変わるたびに山に行って、美味しいもの食べて帰るっていう、こんなに素晴らしい仕事は近年なかったぐらい、いい思いをたくさんいただいた」とコメント。続けて、「普段の私の生活からすると夢みたいな空間ですけど、これが今生きている自分を形作った人たちの暮らしだった」ことに気が付いたとし、「楽しかったです。贅沢な現場でした」と撮影を振り返った。

沢田との共演で、なにか話し合ったのかを聞かれた松は、「いやいや〜、話し合わないです〜」と恐縮した様子。「初めてご一緒させていただいて、面白いことを面白くさりげなくできる方なんだなって。結果、面白く見えるってのとはまたちょっと違くて、面白いお芝居をさりげなく面白く見せられる方」と、沢田の高い演技力について語っていた。

松が初めて沢田を見たのは子供の頃に見たお笑い番組だったそうで「こんなかっこいい人が、こんな面白いことをするんだって」衝撃を受け、テレビ画面に釘付けになったという。また、松の甥である八代目・市川染五郎が沢田のファンらしく、「彼がとても好きで、コンサートに行ったらしく、大興奮して」いたそうで、本作での沢田との共演についても「自慢できる」と明かしていた。

『土を喰らう十二ヵ月』
2022年11月11日（金）より、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開
監督・脚本：中江裕司
原案：水上勉「土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―」　「土を喰ふ日々 わが精進十二ヶ月」
料理：土井善晴
出演：沢田研二　松たか子　西田尚美　尾美としのり　瀧川鯉八　檀ふみ　火野正平　奈良岡朋子
配給：日活

【ストーリー】　長野の山荘で暮らす作家のツトム（沢田研二）。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら原稿に向き合う日々を送っている。時折、編集者で恋人の真知子（松たか子）が、東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子と旬のものを料理して一緒に食べるのは、楽しく格別な時間。悠々自適に暮らすツトムだが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいる…。

©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会