劇作家・演出家の加藤一浩による3本の演劇戯曲を原作に、柄本佑が「映画」の息吹を与えた短編連作集『ippo』が、2023年1月7日より公開される。このほど、予告編とメインビジュアルがお披露目となった。
俳優の柄本佑が2017年から2022年のあいだに撮った3本の短編をまとめた短編集。そして3本すべてが、ひとりの作家による演劇戯曲を原作としている。劇団「東京乾電池」に所属し、柄本の旧知の仲であり、ユニット「曖昧なカンパニー」も主宰する劇作家・演出家の加藤一浩。『ippo』の3作品は、原作戯曲を書いた加藤と柄本監督のふたりによるコラボレーションの積み重ねによって生まれた短編連作集だ。ユーモアと知性に溢れた加藤の戯曲に、柄本佑が「映画」という新たな息吹を与えている。
予告編を制作したのは、『ケイコ目を澄ませて』(12月16日劇場公開)の公開も待ち遠しい三宅唱監督と、同作品の編集も手掛けている大川景子。予告編冒頭では、出演している俳優たちの「いい顔」が次々に登場。『ムーンライト下落合』で久々に再会する友人ふたりに加瀬亮と宇野祥平。『約束』の兄弟に渋川清彦と柄本時生。『フランスにいる』の画家とそのモデルに加藤一浩と高良健吾。柄本が自らキャスティングした素敵な俳優たちの、他の映画では見たことの無い味わい深い表情が優雅な音楽にあわせて映し出されていく。そして、そこで描かれる物語も独特そのもの。下落合のアパートに泊まりにきた友人と過ごす一夜を切り取った『ムーンライト下落合』。とある団地の公園で作業着の男と、その兄がなにやら不思議な会話を繰り広げる『約束』。なかなか描こうとしない画家とそれを待つモデルの男の間に流れる時間を描く『フランスにいる』。3本すべてが、男ふたりの物語。ユーモアと知性に溢れた加藤の戯曲に、柄本佑が「映画」という新たな息吹を与えている。
メインビジュアルおよびタイトルロゴは、『北風だったり、太陽だったり』(2022年12月10日劇場公開/森岡龍監督)、『THE COCKPIT』(2014年/三宅唱監督)を手掛けてきた可児優がデザインを担当した。
『ippo』
2023年1月7日(土)より、渋谷ユーロスペースほかにて公開
監督・脚色・編集:柄本佑
脚本:加藤一浩
エンディング曲:山口ともこ「知らない人の足音だ」
製作:がらにぽん Pigdom
配給・宣伝:ブライトホース・フィルム
『ムーンライト下落合』
2017年/30分
出演:加瀬亮 宇野祥平
【ストーリー】 肌寒さを感じる、ある春の深夜。東京・下落合にある長田(加瀬亮)のアパートに、友人の三上(宇野祥平)が泊まりにきている。久しぶりの再会だ。眠れぬ夜を過ごすふたりは、互いのいまを探り合うように会話を続ける。
『約束』
2022年/27分
出演:渋川清彦 柄本時生 西村順乃介 西村廉乃介
【ストーリー】 梅雨どきのある日。昔ながらの団地の一角の広場に、ふたりの兄弟がいる。スーツ姿の兄(渋川清彦)と作業着姿の弟(柄本時生)。ふたりはどうやらお金に困っている様子なのだが……。
『フランスにいる』
2019年/17分
出演:高良健吾 加藤一浩
【ストーリー】 フランスの、ある田舎町。一人旅をする日本人の男(高良健吾)と、同じく日本人の画家(加藤一浩)。画家はいままさに、自分のアトリエで男の肖像画を描こうとしている。全編iPhoneで撮影された1本。
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