近年、ロシアで再評価されている20世紀最大のスパイ、リヒャルト・ゾルゲの日本での諜報活動の半生を全12話で描いた連続ドラマ『Zorge(原題)』が、邦題『スパイを愛した女たち リヒャルト・ゾルゲ』として2023年2月より公開されることが決定した。
ナチスドイツの大手新聞社の記者として東京で諜報活動するソビエト連邦のスパイ、リヒャルト・ゾルゲ(アレクサンドル・ドモガロフ)。駐日ドイツ大使を通して、ヒトラーによるソ連侵攻を知ったゾルゲは、スターリン率いるソ連側に情報を伝えるも信用されなかったが、尾崎秀実らとともに諜報活動を続け、その後もソ連に情報を送りつづける。しかし、頻繁に発信される無線通信により、大崎少佐(山本修夢)率いる特別高等警察に諜報団の存在を感知されてしまう。やがて、41年にナチスドイツがソ連に攻め込み、ソ連はゾルゲへの評価を改めたものの、ゾルゲ率いる諜報団には危機が迫っていた。緊張が高まる国際情勢の中で、精神の安定を保つため酒と女にのめり込むゾルゲは、ビアホールで働く日本人女性・花子(中丸シオン)と同棲しながら、元恋人の駐日ドイツ大使の妻にも惹かれていく。
近年、ロシアで再評価されるようになった20世紀最大のスパイ、リヒャルト・ゾルゲ。彼の日本での巧みな諜報活動から逮捕・処刑に至るまでの半生と、知られざる多彩な女性関係を描いたドラマがここに誕生した。本作は、ウクライナ・オデーサ出身のセルゲイ・ギンズブルグによって、2年以上もの撮影期間と7億円もの巨費を投じて製作され、高視聴率を獲得。主人公ゾルゲを演じるのは、『ソローキンの見た桜』(19)でボイスマン大佐役を演じた、アレクサンドル・ドモガロフ。共演に、山本修夢、木下順介、瀬戸元などの日本人が出演。ゾルゲの恋人・花子役には、22年7月に惜しくも38歳の若さでこの世を去った中丸シオンが熱演。中丸の実父・中丸新将も警察上官役で出演している。
■リヒャルト・ゾルゲ(1895-1944)アゼルバイジャンバクー生まれ。33年にドイツ大手新聞社の特派員として来日し、東京で諜報活動を行なっていたソビエト連邦(現・ロシア)のスパイ。41年10月、特別高等警察によって逮捕され。44年11月7日に絞首刑。東京・多磨霊園に花子と一緒に眠る墓がある。64年、ソ連邦英雄の称号を授与される。
『スパイを愛した女たち リヒャルト・ゾルゲ』
2023年2月より、新宿 K’s cinema にてロードショー
製作・総監督:セルゲイ・ギンズブルグ
監督:ロマン・サフィン
脚本:ドミトリー・ノボショロフ
出演:アレクサンドル・ドモガロフ 中丸シオン 山本修夢 アンドレイ・ルデンスキー ヴィクトリア・ゾルゲ・イサコヴァ 中丸新将
提供・配給:平成プロジェクト
©平成プロジェクト 2023年