1947年に出版され“斜陽族”と流行語にもなった太宰治の名著「斜陽」執筆から75周年を記念して、主演・宮本茉由、安藤政信らで映画化する『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』が、10月28日よりTOHOシネマズ 甲府にて先行公開、11月4日より全国公開されることが決定した。併せて、宮本茉由と安藤政信の2ショットをとらえたメインビジュアルがお披露目となった。
敗戦後の昭和20年、没落貴族となった上、父を失ったかず子とその母、都貴子は生活の為に本郷西片町の実家を売って西伊豆で暮らすことになった。そんな折、戦地で行方不明となっていた弟の直治が帰還するとの知らせが入ると、母は「歳の離れた資産家に嫁いだらどうか」とかず子に話す。激怒したかず子は「鳩のごとく素直に、蛇のごとく慧かれ」というイエスの言葉とともに6年前の出来事を想いだす。まだ学生だった直治が師匠と仰ぐ中年作家、上原二郎との出会いである。それは一夜の恋心の目覚めであった。
古い道徳とどこまでも争い〈太陽のように生きる〉道ならぬ恋につき進んでいく27歳のかず子に、「第1回ミス美しい20代コンテスト」審査員特別賞を受賞、映画デビューにして初主演の宮本茉由。最後の貴婦人の誇りを持ちながら結核で死んでいく母に水野真紀。貴族の血に抗いながら麻薬と酒に逃げ破滅していく直治に期待の若手の一人である奥野壮。太宰自身を投影した無頼な生活を続ける売れっ子作家上原を安藤政信が好演している。
近藤明男監督は世界的な大監督である故・増村保造監督(甲府市出身)の助監督を務め、増村監督と脚本家の白坂依志夫が遺した「斜陽」草稿脚本を元に本作の脚本を仕上げた。
メインビジュアルでは、元貴族の品の良さが伺える真っ青な着物を纏ったかず子(宮本茉由)が、上原(安藤政信)に身を寄せている。上原の手前にはウイスキーグラスが確認でき、酒に溺れた生活を続ける売れっ子作家の生活を連想させる。
『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』
2022年10月28日(金)より、TOHOシネマズ 甲府にて先行公開
2022年11月4日(金)より、TOHOシネマズ 日本橋ほか全国公開
原作:太宰治
監督:近藤明男
脚本:白坂依志夫 増村保造 近藤明男
主題歌:小椋佳「ラピスラズリの涙」(作詞・作曲・歌)
出演:宮本茉由 安藤政信 水野真紀 奥野壮 田中健 細川直美 白須慶子 三上寛 柏原収史 萬田久子 柄本明 尾崎右宗 菅田俊 岡部尚 中谷太郎 緒方美穂 三木秀甫 岡元あつこ 栗原沙也加 今泉朋子 白石恭子 薗田正美 光藤えり 山村友乃 野崎小三郎 ジョナゴールド 春風亭昇太
配給:彩プロ
©2022『鳩のごとく蛇のごとく斜陽』製作委員会