映画長編デビュー作『人の望みの喜びよ』で第64回ベルリン国際映画祭にてスペシャルメンション(準グランプリ)を受賞した杉田真一監督が、井上真央主演で“娘”と“母”の繊細な家族像を描く『わたしのお母さん』(製作時タイトル『閉じ込めた吐息』より改題)が、11月11日より公開されることが決定した。併せて、予告編と本ビジュアルがお披露目となった。
本作は、互いの気持ちのすれ違いに葛藤する娘と母の心情を描く物語。母との関係が苦しい主人公・夕子を井上真央、悪気なく娘を追い込んでしまう母・寛子を石田えりが演じるほか、夕子の妹・晶子を阿部純子、弟の勝を笠松将が演じ、実力派キャストが一堂に勢揃いした。ほか夕子の夫に橋本一郎、勝の妻にぎぃ子、夕子のパート先のスーパーの店長に宇野祥平が扮する。前作『人の望みの喜びよ』で第64回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門の”スペシャルメンション”に輝いた気鋭の杉田真一監督がメガホンを取り、実力派俳優、個性派俳優を迎えた注目作だ。
「お母さんを困らせて楽しい?」と、母の寛子(石田)が娘の夕子(井上)を厳しい口調で叱責し、うつむいていた夕子が、ゆっくりと顔を上げて母を見つめる、緊迫したシーンから幕を開ける予告編。母と娘の間にいったい何があったのか、カメラはふたりの日常を映し出してゆく。オープンカフェでお茶をしながら、お互いに視線を合わさない夕子と寛子。寛子に好きではない色の服を押し付けられ、困惑する夕子。満開の桜の下、楽しそうに腕を組んで歩く寛子と妹の晶子(阿部)の後ろで、ひとりポツンと歩く夕子の姿など、すれ違う母と娘の様子が明かされてゆく。夕子の弟で長男の勝(笠松)や、夕子の勤め先のスーパーの店長(宇野)など、ふたりの人生に関わってくる人々とのやり取りが挟まれ、長い時間のなかで、母娘の心の溝が少しずつ深まっていく様子が、ピアニストのmayo(岡本真夜)が書き下ろしたメインテーマ「memories」の情感豊かな旋律に乗せて胸に迫ってくる。セリフや説明のテロップをあえて少なくしたことで、登場人物たちの繊細な心の揺れ動き、言葉にできない切なさが、観る人の心にストレートに伝わってくる予告編となっているのも見どころだ。
本ビジュアルでは、互いに逆の方向を見つめる夕子と母・寛子の横顔に「いつからだろう」と、母娘の過去を振り返るような言葉が重なり、想像をかき立てられるビジュアルになっている。
また、人気絵本作家・酒井駒子が描き下ろしたオリジナルポストカード付き『わたしのお母さん』特別鑑賞券1,500円(数量限定・一部劇場を除く)が、8月26日(金)より販売開始する。
『わたしのお母さん』
2022年11月11日(金)より、ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:杉田真一
出演:井上真央 石田えり 阿部純子 笠松将 ぎぃ子 橋本一郎 宇野祥平
配給:東京テアトル
【ストーリー】 三人姉弟の長女で、今は夫と暮らす夕子は、急な事情で母の寛子と一時的に同居することになる。明るくて社交的な寛子だったが、夕子はそんな母のことがずっと苦手だった。不安を抱えたまま同居生活がスタートするが、昔と変わらない母の言動に、もやもやした気持ちを抑えきれない夕子。
そんなある日、ふたりの関係を揺るがす出来事が…。
©2022「わたしのお母さん」製作委員会