井上真央が、石田えりから目をそらし愛想笑い…“娘”と“母”の繊細な家族像『わたしのお母さん』特報映像

映画長編デビュー作『人の望みの喜びよ』で第64回ベルリン国際映画祭にてスペシャルメンション(準グランプリ)を受賞した杉田真一監督が、井上真央主演で“娘”と“母”の繊細な家族像を描く『わたしのお母さん』(製作時タイトル『閉じ込めた吐息』より改題)が、今秋より公開されることが決定した。併せて、特報映像&ティザービジュアルと、井上真央、石田えり、杉田真一監督からのコメントがお披露目となった。

本作は、互いの気持ちのすれ違いに葛藤する娘と母の心情を描く物語。母との関係が苦しい主人公・夕子を井上真央、悪気なく娘を傷つけてしまう母・寛子を石田えりが演じるほか、夕子の妹・晶子を阿部純子、弟の勝を笠松将が演じ、実力派キャストが一堂に勢揃いした。ほか夕子の夫に橋本一郎、勝の妻にぎぃ子、夕子のパート先のスーパーの店長に宇野祥平が扮する。前作『人の望みの喜びよ』で第64回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門の”スペシャルメンション”に輝いた気鋭の杉田真一監督がメガホンを取り、実力派俳優、個性派俳優を迎えた注目作だ。

特報映像は、母の寛子を迎えに駅へと向かった夕子が、その姿を見つけたとたんに、思わず目をそらすシーンから始まる。無邪気に再会を喜ぶ母と、笑顔を見せつつも複雑な様子の娘との対照的な出会いが、この先に待ち受ける波乱を予感させる。

ティザービジュアルのデザインは、「よるくま」「金曜日の砂糖ちゃん」などで知られる人気絵本作家・酒井駒子と、映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の宣伝デザインや詩人・最果タヒの書籍等をはじめとするブックデザイン、展覧会ディレクション等を手掛ける気鋭のグラフィックデザイナー・佐々木俊がタッグを組んで制作。一目見ただけで心をギュッと掴まれる、繊細かつ大胆なデザインが、本作の奥深い魅力を存分に表している。

■井上真央(夕子役)コメント
少し長い道のりとなりましたが、タイトルが変わり、今日までゆっくりとあたためられてきたことを実感しています。皆さんに見て頂くことでこの作品がどのように育っていくのか、楽しみです。母と子の積み重ねてきた想い、静かに流れる時間を感じてもらえたらと思います。


©根本好伸

■石田えり(夕子の母・寛子役)コメント
生きていく、ということは、つまるところコミュニケーションだと思っている。自分の思っていること、考えていることを、どうしたら伝えられるのか。逆に、相手の言うことを先入観なしに受け止めて、理解できているのか。本当のことを言うのは勇気がいるし、時には嫌われるし、面倒くさい。人は良いところばかりではないのだから、片目をつぶってつき合う方がうまくいくという考え方もある。でも、本当に大切だと思うなら、命がけで伝えることも必要だと思う。いくら心をくだいても誤解されて、悪意の倍返しにあうこともある。そして、自分の伝え方が悪くて傷つけてしまったのかと悩んだりもする。それでも、まずは、自分自身に対して、百パーセント正直であるのか、そこからはじめる。だから、たとえ悲しくても先へ進める。そして時には、全開の会話で、笑って元気になれる。

■杉田真一(監督)コメント
脚本を書きながら思い描いた世界。井上真央さん、石田えりさんが演じられることで、その思い描いていた世界が徐々に崩れはじめた時の快感。そして撮影を進めながら、少しずつ丁寧に、新たな世界をともに積み上げていくことの喜び。カットの声を発するのがもったいないくらい、とてもとても幸せな化学反応を幾度も目の当たりにした夢のような日々でした。視線のうつろい、指先の迷い、言葉よりも雄弁な佇まい・・・挙げだしたら切りがありませんが、俳優陣の繊細で素晴らしい表現を大きなスクリーンでご覧頂けることを心より祈っております。

『わたしのお母さん』
今秋、ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:杉田真一 
出演:井上真央 石田えり 阿部純子 笠松将 ぎぃ子 橋本一郎 宇野祥平
配給:東京テアトル

©2022「わたしのお母さん」製作委員会