太平洋戦争末期の沖縄戦で、なお「生きろ!」と後世に一筋の希望を託した二人の官僚と沖縄の人々の物語を、五十嵐匠監督が萩原聖人と村上淳のダブル主演で映画化した『島守の塔』が、7月22日より公開される。このほど、6月30日にニッショーホールにて完成披露試写会が行われ、キャストの萩原聖人、村上淳、吉岡里帆、香川京子、そして五十嵐匠監督が登壇した。
コロナウィルスの影響により、撮影延期を余儀なくされた本作について、「奇跡に近い」と述べた萩原は、「改めて現場に一年八ヶ月ぶりに行った時、一年八ケ月前と変わらないスタッフがそこにいて、『この映画は生きている』と実感できました」としみじみ。「戦争に関しては共通認識が皆さんにあると思うので、今を生きてる人たちにぜひ観てほしい」と完成した作品をアピールした。
「監督の熱量は普通じゃありません」と述べた村上は、「今日という日を迎えられたのは、五十嵐監督のおかげ。ここまでの一途な情熱をお持ちの監督というのは、やはり信頼もできる。今日の時間があるのも監督のおかげだと思ってます。感謝しかありません。この場を借りて監督、ありがとう」と、五十嵐監督に感謝の言葉を捧げた。
「村上さんと同じ気持ち」だという吉岡は、「撮影が中止になると決まった時に、監督が連絡をくださって『必ず撮り切るので、もしもう一度再会することがあったら力を貸していただけないだろうか。必ず完成すると、約束します』という言葉を頂いた」という。吉岡は監督の言葉に衝撃を受けたそうで、「どのぐらい待つか分からないけど、きっと必ず完成すると。お客様に観てもらうべき作品なんだろう」と感じていたことを振り返った。
萩原と村上が、キャストを代表して最後の挨拶を済ますと、五十嵐監督が「最後に吉岡さん、短く締めて」と無茶ぶりする場面も。突然の要求に困った様子の吉岡だったが、「五十嵐さん、元気で長生きしてください」と優しい言葉を監督に贈ると、会場が一瞬で和やかな雰囲気に。吉岡の見事な言葉で、会場中が拍手に包まれていた。
『島守の塔』
2022年7月22日(金)より、シネスイッチ銀座にて公開
2022年8月5日(金)より、沖縄、兵庫、栃木にて公開、以後全国順次公開
監督・脚本:五十嵐匠
脚本:柏田道夫
音楽:星勝
出演:萩原聖人 村上淳 吉岡里帆 池間夏海 榎木孝明 成田浬 水橋研二 香川京子
配給:毎日新聞社 ポニーキャニオンエンタープライズ
【作品概要】 鉄の暴風と言われた激しい空襲、艦砲射撃、上陸戦の絶望に追い込まれた太平洋戦争末期の沖縄戦で、なお「生きろ!」と後世に一筋の希望を託した二人の官僚・島田叡、荒井退造と沖縄の人々の物語を映画化。
©2022 映画「島守の塔」製作委員会