カンヌ国際映画祭で監督賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞し、アカデミー賞国際長編映画賞ロシア代表にも選出され、世界の映画祭を席巻した映画『戦争と女の顔』が、7月15日より公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
巨匠アレクサンドル・ソクーロフの下で学んだ新鋭カンテミール・バラーゴフ監督が、ノーベル文学賞受賞作家・スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの証言集「戦争は女の顔をしていない」を原案に、戦後の女性の運命を描いた本作。
予告編では、終戦直後のレニングラードを舞台に、PTSDを抱えた元女性兵士の二人の女性イーヤ(ヴィクトリア・ミロシニチェンコ)とマーシャ(ヴァシリサ・ペレリギナ)が、厳しい環境下でお互いを支えながら生きていく様子が描かれる。そして、畳み掛けて映し出される各誌のレビューと赤褐色と緑の衣装により、本作が痛ましく、強く、そして美しさも感じる作品であることが想起される。
ポスタービジュアルには、誰かの手で口元を塞がれる主人公・イーヤの姿が収められ、不穏さが感じらせる。また、「1945年、戦後のレニングラード。PTSDをかかえた元女性兵たちの生と死の闘い」と「“わたしたち”の戦争は終わっていない」のコピーから、戦争が終わっても、彼女たちの戦争がいまも続いていることを察することができる。
『戦争と女の顔』
2022年7月15日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:カンテミール・バラーゴフ
製作:アレクサンドル・ロドニャンスキー セルゲイ・メルクモフ
原案:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ「戦争は女の顔をしていない」
共同脚本:アレクサンドル・チェレホフ
出演:ヴィクトリア・ミロシニチェンコ ヴァシリサ・ペレリギナ アンドレイ・ヴァイコフ イーゴリ・シローコフ
配給:アット エンタテインメント
【ストーリー】 1945年、終戦直後のレニングラード(現サンクトペテルブルグ)。荒廃した街の病院で、PTSDを抱えながら働く看護師のイーヤ(ヴィクトリア・ミロシニチェンコ)は、ある日後遺症の発作のせいで、面倒をみていた子供を死なせてしまう。そこに子供の本当の母で戦友のマーシャ(ヴァシリサ・ペレリギナ)が戦地から帰還する。彼女もまた後遺症を抱え、心身ともにボロボロの二人の元女性兵士は、なんとか自分たちの生活を再建するための闘いに意味と希望を見いだすが…。
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