間宮祥太朗「なぜ好きな人に気持ちを伝えることが、できない」島崎藤村の名作を映画化『破戒』予告編&ポスタービジュアル

1948年に木下恵介監督、1962年に市川崑監督と名だたる巨匠が映画化してきた、島崎藤村の不朽の名作を、前田和男監督が間宮祥太朗主演で60年ぶりに映画化する『破戒』が、7月8日より公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

瀬川丑松は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、小学校教員として奉職する。彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現状を体験することで心を乱し、下宿先の士族出身の女性・志保との恋に心を焦がしていた。学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎に傾倒していき、彼の演説会で「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った凶刃により命を落とす。この事件を機に、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする…。

予告編は、丑松(間宮祥太朗)の「なぜ好きな人に気持ちを伝えることが、できない」という苦悩のナレーションから始まる。舞台は、まだ身分制度の影が残る明治後期。「部落民という素性を隠せ」という父からの強い戒めを受け、身分を隠し教師となった丑松は、下宿先で士族の娘・志保(石井杏奈)と出会い、彼女への想いに心を焦がすようになる。誰にも自身の出自を明かすことのできない丑松だったが、「この世の矛盾に命懸けで切り込む人間を下等だというのなら、私は進んで下等な人間になります」と感情を剥き出しにする一面も。丑松が父の戒めを破り、切り拓こうとした未来とは…?身分の違いに翻弄されながらも恋に落ちる丑松を、苦悩に顔を歪め大粒の涙をこぼし、気迫溢れる演技で体現する間宮に注目だ。

すでに公開されているティザービジュアルでは、自身の出自を誰にも言えず悩む丑松の横顔と、「誰にも心を許してはならない」というキャッチコピーが添えられた。ポスタービジュアルには、「この戒めを破り、明日を生きる」と父からの戒めを破り出自を隠さず生きる決意のキャッチコピーとともに、丑松と志保の二人のショットが収められる。その先に明るい未来があると信じ、共に突き進む二人に待ち受ける試練はいかばかりか。希望と不安が混在する二人の表情が印象的なビジュアルに仕上がった。

『破戒』
2022年7月8日(金)より、丸の内TOEIほか全国公開
監督:前田和男
原作:島崎藤村「破戒」
脚本:加藤正人 木田紀生
音楽:かみむら周平
出演:間宮祥太朗 石井杏奈 矢本悠馬 高橋和也 小林綾子 七瀬公 ウーイェイよしたか(スマイル) 大東駿介 竹中直人 本田博太郎 田中要次 石橋蓮司 眞島秀和
配給:東映ビデオ

【ストーリー】 瀬川丑松(間宮祥太朗)は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、ある小学校の教員として奉職する。彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父からの強い戒めを受けていた。彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現状を体験することで心を乱し、下宿先の士族出身の女性・志保(石井杏奈)との恋に心を焦がしていた。友人の同僚教師・銀之助(矢本悠馬)の支えはあったが、学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎(眞島秀和)に傾倒していく。猪子宛に手紙を書いたところ、思いがけず猪子と対面する機会を得るが、丑松は猪子にすら、自分の出自をカミングアウトすることができなかった。そんな中、猪子の演説会が開かれる。丑松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という猪子の言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った凶刃により命を落とす。この事件がキッカケとなり、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする…。

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