『母という名の女』、『或る終焉』などで知られるミシェル・フランコ監督作で、第77回ベネチア国際映画祭で審査員大賞を受賞した『ニューオーダー』が、6月4日より公開される。このほど、本作の予告編と新場面写真がお披露目となった。
第77回ベネチア国際映画祭で審査員大賞など2冠を受賞しながらも、各国の映画祭で激しい賛否両論を巻き起こした本作は、広がり続ける経済格差とそれがもたらす社会秩序の崩壊、今まさに人々が直面している危機的状況を描くディストピア・スリラー。目を背けたくなる、それでも刮目せねばならない“最悪”のリアリティに、観る者の覚悟が試される。
予告編は、豪邸で行われる結婚パーティーの主役である幸せそうなカップルのダンスシーンから始まる。その後、何かが起こる前触れのように、水道の蛇口から緑色の水が流れると、暴徒たちが豪邸への押し寄せ、パーティーは地獄絵図と化す。畳みかけるように、街中での殺戮と略奪の様子が映し出され、思わず目を逸らしたくなるような映像になっている。
『ニューオーダー』
2022年6月4日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開
監督・脚本:ミシェル・フランコ
出演:ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド ディエゴ・ボネータ モニカ・デル・カルメン
配給:クロックワークス
【ストーリー】 夢に見た結婚パーティー。マリアン(ネイアン・ゴンザレス・ノルビンド)にとって、その日は人生最良の一日になるはずだった。裕福な家庭に生まれ育った彼女を祝うため豪邸に集うのは、着飾った政財界の名士たち。一方、マリアン宅からほど近い通りでは、広がり続ける貧富の格差に対する抗議運動が、今まさに暴動と化していた。その勢いは爆発的に広がり、遂にはマリアンの家にも暴徒が押し寄せてくる。華やかな宴は一転、殺戮と略奪の地獄絵図が繰り広げられる。そして運良く難を逃れたマリアンを待ち受けていたのは、軍部による武力鎮圧と戒厳令だった。電話や通信網は遮断され、ついさっきまで存在していたはずの法と秩序は崩壊、日常が悪夢に変わる。だが、“最悪”はまだ始まったばかりだ。
©︎ 2020 Lo que algunos soñaron S.A. de C.V., Les Films d’Ici