メキシコの気鋭ミシェル・フランコ監督最新作『母という名の女』ポスタービジュアル&予告編

第70回カンヌ国際映画祭にて、ある視点部門審査員賞を受賞したミシェル・フランコ監督最新作『母という名の女』が6月16日より公開となる。このほど、ポスタービジュアル、予告編、場面写真がお披露目となった。

『父の秘密』や『或る終焉』のメキシコの気鋭ミシェル・フランコ監督が手掛ける本作は、母と娘の確執を描く衝撃のミステリー。メキシコのリゾートエリア、バジャルタの海辺に建つ別荘で暮らす姉妹のもとに、長い間疎遠になっていた母アブリルが戻ってくる。17歳の妹バレリアは、同じ年の少年との間に子供を身ごもっており、突然舞い戻ったアブリルは献身的に娘の面倒をみる。しかし、バレリアの出産をきっかけに、アブリルは自身の陰にある深い欲望を忠実に遂行していく。

ポスタービジュアルでは、母アブリルが、妊娠してお腹の大きくなった17歳の娘バレリアを後ろから優しく抱きしめる姿が写されている反面、視線の合わない3人の女たちの様子が不穏な空気を漂わせるビジュアルとなっている。

予告編では、妊娠中の17歳のバレリアが疎遠だった母アブリルに心を開いていく様が描かれている。一見ごく普通の母と娘に見えるが、バレリアに子供が生まれ幸せが訪れた時、徐々に母の隠れた欲望が露わになっていく。アブリルが着実に欲望を満たしていく一方、途方に暮れ泣き叫ぶバレリア。母と娘たちのバランスが崩れていく様に胸がざわつく映像となっている。

『母という名の女』
6月16日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー
監督・脚本・製作:ミシェル・フランコ
撮影:イヴ・カープ
出演:エマ・スアレス アナ・ヴァレリア・ベセリル エンリケ・アリソン ホアナ・ラレキ エルナン・メンドーサ
配給:彩プロ

【ストーリー】 海沿いの家に二人で暮らす姉妹。17歳の妹・バレリアは妊娠しており、姉・クララは離れて暮らしている母親・アブリルを電話で呼び寄せる。お腹の中の子供の父親は、クララが経営する印刷所でアルバイトしていた17歳の少年・マテオ。姉妹の元に訪ねてきたアブリルは、クララやマテオと会話を重ね、バレリアの不安を和らげるように接し、母親に不信感を抱いていたバレリアも徐々に母を信用し、そして無事に女の子が生まれ、カレンと名付けられる。バレリアの代わりにカレンの世話をしているうちに独占欲がアブリルの中に芽生える。カレンを自分の管理下に置こうとするアブリルに反発しはじめるバレリア。娘との関係が悪化していく中、ついにアブリルは深い欲望を忠実に遂行していく。

©Lucía Films S. de R.L de C.V. 2017